...私を斬(き)る、私を殺す、その、顔のお綺麗さ、気高さ、美しさ、目の清(すず)しさ、眉の勇ましさ...
泉鏡花 「海神別荘」
...ここに芸術家の悲惨な孤独の宿命もあるのだし、芸術の身を切られるような真の美しさ、気高さ、えい何と言ったらいいのか、つまり芸術さ、そいつが在るのだ...
太宰治 「十五年間」
...すでに、我々の通り過ぎてきたあの山の上の無人の山荘と言い、あの塵(ちり)っ葉一つ留めぬ塋域の瀟灑(しょうしゃ)さと言い、今またこの荘厳な大殿堂と言い、その規模の雄大さ、荘厳さ、気高さにおいて、欧州一流の大都会にも未だこれほどの美しさ、これほどの見事さを、我々は見たことがなかったのであった...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...なんという雅(みやび)やかさ! なんという気高さなのであろう! 男たちは老いも若きも...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...気高さというものは!ふさふさと豊かに垂れた金髪に桃金花(てんにんか)の花綵(はなづな)を結んで...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...その後英国のマンチェスター・ガーデアン紙の特派員(コレスポンデント)も王女謁見記を新聞紙上に公にしましたが、カムレッシ王女殿下が欧州人の前で写真をお撮りになるのがお嫌だから写真を読者に示すことができないのは残念であるが、もし王女殿下がひとたび巴里(パリー)へ来られロンドンへ来られたならば、おそらく欧州一流の美女たちも王女の持たれる色づける皮膚の美しさ、気高さ、麗貌のこの世ならぬ尊さに顔色を失うであろう...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...美しさと気高さとを兼ね持つてゐた...
種田山頭火 「行乞記」
...実際の気高さと偽りの気高さとの同分量の混合...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...気高さは言語に絶するものがあり...
野村胡堂 「楽聖物語」
...あなたの自発的意志と気高さのせいなのです」かすかな喝采の呟きが...
アルジャナン・ブラックウッド 森郁夫訳 「秘密礼拜式」
...気高さや能力では奴らのほうが上だが...
アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 石波杏訳 Kyo Ishinami 「老人と海」
...彼の驚嘆すべき思想の気高さと輝きとを見分けはしなかったろう...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...(c)これはその気高さにおいて...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...お二方(ふたかた)の恋の気高さに比べますと...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...初めて宮城の気高さと尊さがわかりました...
夢野久作 「暗黒公使」
...死生を諦観(ていかん)して澄み徹(とお)っているような気高さがあった...
吉川英治 「黒田如水」
...花水仙(はなすいせん)の気高さを思わせる姿である...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...その威厳と気高さと――そうして三昧(さんまい)に没入した凝然たる表情とは...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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