...ここに芸術家の悲惨な孤独の宿命もあるのだし、芸術の身を切られるような真の美しさ、気高さ、えい何と言ったらいいのか、つまり芸術さ、そいつが在るのだ...
太宰治 「十五年間」
...すでに、我々の通り過ぎてきたあの山の上の無人の山荘と言い、あの塵(ちり)っ葉一つ留めぬ塋域の瀟灑(しょうしゃ)さと言い、今またこの荘厳な大殿堂と言い、その規模の雄大さ、荘厳さ、気高さにおいて、欧州一流の大都会にも未だこれほどの美しさ、これほどの見事さを、我々は見たことがなかったのであった...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...気高さというものは!ふさふさと豊かに垂れた金髪に桃金花(てんにんか)の花綵(はなづな)を結んで...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...何とも言えぬ侘しそうな瞳……しかしまた人懐こそうな美しい面立ち……それはこの世の中にありとしも思われぬ美しさ清らかさ気高さそのものに思われた...
橘外男 「逗子物語」
...わしの好みはその反対で plus de sincritque de noblesse(気高さよりは真摯さがいい)んですよ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...実際の気高さと偽りの気高さとの同分量の混合...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...百合のように心から人を引き寄せる気高さの方が勝っている...
豊島与志雄 「二つの途」
...この世のものとも思えぬ気高さ――「よくもこんな美しいものを生んだことかな」と...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...不思議な気高さと華やかさを持ったものです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...生娘のやうな純潔の気高さがあつた...
萩原朔太郎 「愛の詩集」
...女は笑いもしなければ頭も動かさないで女王が舌をきられたあわれなどれいを御ともにしてあるいて居る様な気高さと美くしさを見せて居た...
宮本百合子 「お女郎蜘蛛」
...(c)これはその気高さにおいて...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...私はその気高さに打たれて髪の毛がゾーッとした...
夢野久作 「あやかしの鼓」
...よき人の稀に持つ素顔の気高さ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...死生を諦観(ていかん)して澄み徹(とお)っているような気高さがあった...
吉川英治 「黒田如水」
...花水仙(はなすいせん)の気高さを思わせる姿である...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...観音らしい気高さを欠かない...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...これらのことがすべて気高さの印象の素因なのである...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??