...気長に酒のあたたまるのを待っていたが...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...リヽーが外へ出て来るのを気長に待つてゐるより外に手はないのだが...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...気長に好機を待つことにした...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...一時頃までも気長にぼんやりしている...
豊島与志雄 「北支点描」
...少しの休みもなく而も気長に身仕舞をした...
豊島与志雄 「理想の女」
...お梅もやはりそいつらの手で気長にすこしずつ毒でも盛られて弱らされ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...まず邪魔な惣領のお梅を砒霜(ひそう)の毒で気長に盛り殺し...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...……少し気長に話し合えばよいのだ...
三好十郎 「斬られの仙太」
...その代り涼しい処で気長に丁寧(ていねい)に泡立てて拵えて御覧なさいまし...
村井弦斎 「食道楽」
...第三炒米(いりごめ)の粥これは一旦(いったん)お米の洗ったのを乾かせて炮烙(ほうろく)でよく炒って少し塩を加えて水から気長に弱い火で煮ます...
村井弦斎 「食道楽」
...それを鰹節(かつぶし)の煎汁(だし)とお酒と醤油とで二時間ほど気長に弱火(とろび)で煮て三分位の輪切りにし出します...
村井弦斎 「食道楽」
...この火加減(ひかげん)がむずかしいものでお湯がグラグラ沸立(にえた)つとプデンへ鬆(す)が出来ますから弱火(とろび)で気長に四十分間位湯煮(ゆで)なければなりません...
村井弦斎 「食道楽」
...再会を気長に待っていられなくなって...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...まじめな男の心というものは、匂宮などの風流男とは違っていて、気長に考えて、いずれはその人をこそ一生の妻とする女性であるが、あちらに愛情の生まれるまでは力ずくがましい結婚はしたくないと思い、故人の宮への情誼(じょうぎ)を重く考える点で女王(にょおう)の心が動いてくるようにと願っているのであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...時刻になるまで気長に待つ積で...
森鴎外 「追儺」
...客は鰻の焼けるまで香の物で一杯、気長に待つ...
山本笑月 「明治世相百話」
...気長に足利弱小化を...
吉川英治 「私本太平記」
...気長に時を待つのほか...
吉川英治 「新書太閤記」
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