...学資を失いて活版職工となりしよし驚き気遣うところなり...
饗庭篁村 「良夜」
...僕が心のなかで彼女の身のうえを気遣う気持もだんだんと薄らいで行った...
モオパッサン 秋田滋訳 「狂女」
...気遣うことも頻りなり...
石井研堂 「大利根の大物釣」
...隔絶している人の安否を気遣うのが...
江見水蔭 「死剣と生縄」
...何分まだ申し上げ残ったことがござりますから……あとは察して下さい……明年を気遣いまた明後年のことを気遣うのでございます...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...立ち聞きせられるのを気遣うように...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...これとて気遣う事などは少しもない...
相馬泰三 「田舎医師の子」
...どうも僭越(せんえつ)なことではないかと気遣う向きもありましたが...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...わかれ霜を気遣うたは昨日の様でも...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...陰では氏の病状を気遣うけれども...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...生死を気遣う眼に...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...おろおろと伊兵衛を気遣う)博労木崎の久太郎(四十二...
長谷川伸 「一本刀土俵入 二幕五場」
...本当に! 誰も彼以上に人を気遣うことなど出来なかった...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...全くこの蛇常に薄雲の用達す所見込みしを気遣うて猫がかの妓に附き添ったと知れ...
南方熊楠 「十二支考」
...父のような心がお身の上を気遣うのでござります...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...千鶴子のとやこうと気遣う気持ちも...
横光利一 「旅愁」
...久慈や塩野を気遣う風に云って横から覗いた...
横光利一 「旅愁」
...金吾の生死をひたすらに気遣うかれが...
吉川英治 「江戸三国志」
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