...そんな危い瀬を渡る為にわざわざ三人で来られる気遣いはなく...
江見水蔭 「備前天一坊」
...何分まだ申し上げ残ったことがござりますから……あとは察して下さい……明年を気遣いまた明後年のことを気遣うのでございます...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...父は始終私の身辺を気遣い...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...ネガチヴの気遣いも...
太宰治 「薄明」
...そのコース以外には脱(のが)れる気遣いのない白襟嬢に...
辰野九紫 「青バスの女」
...夫や子供たちの安否を気遣い...
谷崎潤一郎 「細雪」
...」「あすこなら人に逢う気遣いがないから...
徳田秋声 「黴」
...拙者は先の先が気遣いでたまらんから...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...何ヶ月立っても散る気遣いがないから...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...少しくらいは溜めていたところで引抜いて大伴(おおとも)の黒主(くろぬし)などに化ける気遣いはまずなさそうです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...万一にも口走る気遣いはありません...
久生十蘭 「魔都」
...あんなところに傷のできる気遣いはない...
平林初之輔 「犠牲者」
...それが他日物を書くときになって役に立たぬ気遣いは無い...
マルセル・プレヴォー Marcel Prevost 森鴎外訳 「田舎」
...すでに死んだ者がどんな怪物に逢ったって食い殺さるる気遣いはないようだが...
南方熊楠 「十二支考」
...永く保存せられる気遣いはないから...
柳田國男 「地名の研究」
...怨まれる気遣いも御座んすまい...
夢野久作 「少女地獄」
...慣れた運転手ならば眩しい方向に吸い寄せられてブッツケ合うようなヘマをする気遣いは先(ま)ずないといってもいいので...
夢野久作 「衝突心理」
...決して怪しまれる気遣いは無いと思ったからである...
夢野久作 「一足お先に」
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