...気軽にかかれるものでしたら...
上村松園 「画筆に生きる五十年」
...そして一度梅雨前のさわやかな風が吹きよせると、気軽に手を振り、大袈裟に肩をゆすぶつて笑ひさざめくその放縦さ...
薄田泣菫 「独楽園」
...ただ、菅野の姉さんの所から、沢崎氏を雪子さんに会わせたいから、兎(と)に角(かく)雪子さんを大垣まで寄越して貰(もら)いたいと云って来た、沢崎家は数千万円の資産家で、今日の蒔岡(まきおか)家とは格段の相違があり、不釣合(ふつりあい)過ぎて滑稽(こっけい)のようだけれども、先方は奥さんに死なれて、二度目のことでもあり、既に阪神間へ人を遣(や)って蒔岡家の家柄や雪子ちゃんの性質や容姿などを相当調べ、その上で会見を希望して来たらしいのであるから、満更の話ではないように思われる、何にしても菅野の姉さんが折角そう云って来てくれた好意を無にしては、兄さんの立ち場が困る、菅野では、さしあたり雪子さんを寄越してくれさえすればよいので、先方に関する委(くわ)しいことは後で知らせると云って来ているから、どう云う事情か分らないけれども、文句を云わずに会いに行かして欲しいのである、それには、雪子ちゃんも大分其方(そちら)の滞在が延びていることだし、一遍帰って来て貰いたいと思っていたところであるから、帰京の途中立ち寄ることにしたらどうであろう、別に誰が附いて来るようにとも云っていないし、兄さんは忙しいと云っているから、私が此方(こちら)から出向いてもよいが、済まないけれども幸子ちゃんが附いて行ってくれると都合が好いのだが、………どうせ儀式張ったことではなく、ちょっと会わせるだけなのだろうから、気軽に、遊びに行くつもりで連れ出して貰えないか知らん、と云うのであった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...無口で大兵の鉄さんが気軽に太鼓をうったり...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...気軽に三人へ挨拶して...
直木三十五 「南国太平記」
...「床屋へいくから留守番を頼みます」私は気軽にそういって家を出...
中勘助 「結婚」
...平次も案外気軽に御輿(みこし)を挙げます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...そして気軽になるのだった...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...ハネて銀座ルパン、石田・大庭を連れて、気軽に、仕事を離れて飲む...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...さう気軽に扱へなかつた...
牧野信一 「貧しき日録」
...今度若しこの町名に出遇ふ場合があつたら今度こそは気軽に...
牧野信一 「貧しき日録」
...(気軽に奥の方へ行きかける...
三好十郎 「その人を知らず」
...これで皆の客とはよほど気軽に自分も浮いているのだろうと思ったが...
横光利一 「旅愁」
...――おう今日は、折角、此方から書面しながら失礼ですが、幕中、折わるく諸将を会して要談中なので」「いや、また会いましょう」韓遂は、気軽に戻った...
吉川英治 「三国志」
...気軽に語るためだ...
吉川英治 「新書太閤記」
...ちょうど、両国まで行って足したい用事もあるし……』と、気軽に、『盲阿弥さん、文箱(ふばこ)はあるかね』『すみませんな...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...「うるさい奴」日観はつぶやきながら、武蔵のそばへ来て、気軽にいった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...こんな日ならば気軽に出かける気持ちになるであろう...
和辻哲郎 「漱石の人物」
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