...随分な気紛れ者であつた...
石川啄木 「菊池君」
...人間の採集がほんの気紛れからで...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...桜の木に棲んで、その葉を餌とし、おまけにその枯つ葉を縫ひ綴くつて、一冬の寒さ凌ぎの料とすることをのみ知つてゐる簑虫にとつては、気紛れで、ひと一倍感じやすい桜の葉は、自分の一生を託するにしては、信頼の出来かねる相手に相違ない...
薄田泣菫 「独楽園」
...何か飛んでもない気紛れでもおこして万事をひっくり返しはしまいかと...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...気紛れにいつもは出たことのない東京駅東口へ出てそこから車を拾って帰ったが...
寺田寅彦 「箱根熱海バス紀行」
...気紛れではございません...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...彦一は酒に酔っていた気紛れに...
豊島与志雄 「ものの影」
...わたしが妻の気紛れを咎めると...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...益満の気紛れ、奔放は、十分に知っていた...
直木三十五 「南国太平記」
...低温室内の長時間撮影、顕微鏡による微速度、結晶の気紛れ、照明による結晶の昇華と、これだけ悪条件が初めからすっかり分っていたら、少くもこの冬には手がつけられなかったことであろう...
中谷宇吉郎 「映画を作る話」
...気紛れや道楽では続きゃしません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...海坊主が弁天様を生んだような造化の気紛れを平次はまざまざと見せられるような気がしたのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...決して気紛れでは無かったのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...いくら槇子が気紛れだって...
久生十蘭 「キャラコさん」
...そろそろ借地人の横着や細君の気紛れに悪態をつきはじめたが...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...気紛れであるであろう...
三木清 「人生論ノート」
...何か気紛れな遠い方角に空虚なものを感じたやうに...
三好達治 「測量船」
...しかも気紛れや流行や嗜好のために...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
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