...』『それに余程(よつぽど)の気紛れ者(もん)でね...
石川啄木 「菊池君」
...桜の木に棲んで、その葉を餌とし、おまけにその枯つ葉を縫ひ綴くつて、一冬の寒さ凌ぎの料とすることをのみ知つてゐる簑虫にとつては、気紛れで、ひと一倍感じやすい桜の葉は、自分の一生を託するにしては、信頼の出来かねる相手に相違ない...
薄田泣菫 「独楽園」
...それでも以前にはとき/″\気紛れに彼女たちを訪れることがあったけれども...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...それがわずかな気紛れな風の戦(そよ)ぎにあおられて小さな渦を巻いたりしていた...
寺田寅彦 「浅草紙」
...私の気紛れにも気を落とさない...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...気紛れなものに思えるのだ...
豊島与志雄 「春盲」
...それがまるで気紛れで...
豊島与志雄 「変な男」
...そして気紛れな渦巻き...
豊島与志雄 「山吹の花」
...それは断じて気分の気紛れではなく...
中井正一 「絵画の不安」
...ただ海を見てやりたい――それだけの気紛れなんでしょうよ...
中里介山 「大菩薩峠」
...他のもう一つの気紛れな粟粒なる彗星と衝突することだってあり得るだろうし...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...気紛れや道楽では続きゃしません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...いくら槇子が気紛れだって...
久生十蘭 「キャラコさん」
...気紛れな思いつきや...
久生十蘭 「南極記」
...彼女の気紛れを我慢して来たのだ……...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...地震鯰ははなはだ気紛れで...
武者金吉 「地震なまず」
...唯だ気紛れにする事ぞ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...購買者の嗜好や気紛れや資力に依存している...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
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