...片田舎にて気散じに住みたまう気は無きか...
泉鏡花 「活人形」
...そしてその代りに農夫がもとめるのと同様な――それはもっと圧縮された形のものかもしれないが――気散じと交際とを求めているのだということが解らないのである...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...その行動によって多くの気散じをわたしにあたえた...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...どうせ気散じの遊山旅だ...
太宰治 「新釈諸国噺」
...座頭(ざとう)同様の心得を以て女中共の気散じ役や取り持ちを勤めることになったが...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...ちょいと気散じがてら二つ三つ買物もあって...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「イオーヌィチ」
...私のあらゆる気散じを追い払い...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...この気散じを致しましょう……」十二炉辺の閑話に蚊話(かばなし)が持上った時...
中里介山 「大菩薩峠」
...気散じに、兼でも伴れて行ってきなさい...
林不忘 「あの顔」
...いい気散じであった...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...小金井までの気散じの旅...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...浮世の塩を踏まぬ身の気散じさ...
二葉亭四迷 「浮雲」
...――もちろんその時、また次の時、さらにまた次の時という風に、ある慰藉、ある気散じ、ある麻酔が見出されたことは確かである...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...かかる気散じな事を書いたのだ...
南方熊楠 「十二支考」
...退屈人の気散じの如く心得ておられるらしい」「め...
吉川英治 「上杉謙信」
...『策や、気散じなれば、自(おのずか)らそこに分別もござろうに、いやはや、この頃の大石殿と来ては、少々、いや少々どころではない、まるで痴人(ちじん)の狂態でござる...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...家中の若いものどもがな」老公も気散じに相づちを打つ...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...川崎の森田家にご気散じの由はわかったが...
吉川英治 「松のや露八」
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