...大阪やその近郊の遊覧地へ気散じな一日を暮しに行つた...
芥川龍之介 「秋」
...同気相求める三人の変物揃(ぞろ)いで東海道を膝栗毛(ひざくりげ)の気散じな旅をした...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...そしてその代りに農夫がもとめるのと同様な――それはもっと圧縮された形のものかもしれないが――気散じと交際とを求めているのだということが解らないのである...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...座頭(ざとう)同様の心得を以て女中共の気散じ役や取り持ちを勤めることになったが...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...私のあらゆる気散じを追い払い...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...この気散じを致しましょう……」十二炉辺の閑話に蚊話(かばなし)が持上った時...
中里介山 「大菩薩峠」
...気散じに出かけたものです――その途中...
中里介山 「大菩薩峠」
...いい気散じであった...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...気散じな日々だった...
堀辰雄 「菜穂子」
...真剣な気散じを見出した...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...――もちろんその時、また次の時、さらにまた次の時という風に、ある慰藉、ある気散じ、ある麻酔が見出されたことは確かである...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...大いに気散じになりました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...退屈人の気散じの如く心得ておられるらしい」「め...
吉川英治 「上杉謙信」
...お気散じにはなるまいと存じましてな」「陰気なと申されたが...
吉川英治 「私本太平記」
...御気散じとはいいながら...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...『策や、気散じなれば、自(おのずか)らそこに分別もござろうに、いやはや、この頃の大石殿と来ては、少々、いや少々どころではない、まるで痴人(ちじん)の狂態でござる...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...家中の若いものどもがな」老公も気散じに相づちを打つ...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...川崎の森田家にご気散じの由はわかったが...
吉川英治 「松のや露八」
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