...けれど、世間の多くの人達の生活を見まはすとき、私は卑怯であつても、意久地なしでも、兎に角、彼女程本当に、生真面目に苦しんでゐる人が、どれ丈けあるだらうと考へますと、気弱ながらも、とう/\最後まで自分を誤魔化し得なかつた正直さに対しては尊敬しないではゐられないのであります...
伊藤野枝 「背負ひ切れぬ重荷」
...徳次郎は意味ありげに気弱な顔を見せた...
犬養健 「朧夜」
...この何と云ふ気弱な男であらう...
武田麟太郎 「釜ヶ崎」
...そんな気弱な遠廻しの弁解をなさらずとも...
太宰治 「きりぎりす」
...気弱な父の採点である...
太宰治 「火の鳥」
......
峠三吉 「原爆詩集」
...人間を気弱な邪悪な微賤な感傷的な……ものと見るのは...
豊島与志雄 「ヒューメーンということに就て」
...これが前にもいった怜悧(れいり)なことと気弱なこととが結(むす)びつく理由であろう...
新渡戸稲造 「自警録」
...私は心に気弱な熱いものを感じながら...
林芙美子 「新版 放浪記」
...気弱なくせに勝気でその日その日だ...
林芙美子 「新版 放浪記」
...芯は気弱なのかも知れない...
林芙美子 「「リラ」の女達」
...誰も彼も気弱な癖して自分に塀を囲んでゐるのであつた...
林芙美子 「「リラ」の女達」
...いずれそのうち此処からは出るつもりなのですけれど――」と私がいつになくつい気弱な返事をすると...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...自分の気弱な舌をいいわけにしたが...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「神の剣」
...ほんとに気弱な可哀そうな人なんですもの...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...さりとは気弱な...
吉川英治 「三国志」
...これでお気弱な後深草の長い鬱積もいッぺんに霽(は)れたわけだ...
吉川英治 「私本太平記」
...気弱な将頼と思っていたが...
吉川英治 「平の将門」
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