...芳原かぶりと気取りましたさ...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...もう船長気取りで...
海野十三 「火薬船」
...けれども、そのとしの新入生は日本全国から集って百五十人、いや、もっと多かったようで、東京組とか、大阪組とか、出生の国を同じくする新入生たちはそれぞれ群を作って、学校にいても、また仙台のまちへ出ても、一緒に楽しそうに騒ぎまわっていたものの、田舎の私の中学から医専に来たのは私ひとりで、それに私は、生来口が重い上に、ご存じの如くひどい田舎訛(いなかなま)りなので、その新入生たちにまじって、冗談を言い合う勇気もなく、かえってひがんで、孤立を気取り、下宿も学校から遠く離れた県庁の裏に定めて、同級生の誰とも親しく口をきかなかったのは勿論(もちろん)、その素人(しろうと)下宿の家族の人たちとも、滅多(めった)に打ち解けた話をする事は無かった...
太宰治 「惜別」
...あるいはイエス・キリスト気取りの者もいた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...この男は、オーストリア帝国の一首相の親戚(しんせき)に当たる名家の貴族であって、気取りやで、道楽者で、伊達(だて)者で、早くも憔悴(しょうすい)してしまっていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...昔のように姉妹気取りや朋輩気取りで呼びかけることに気が置けるのであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...両掛けの荷物でもぶらさげた気取りで...
中里介山 「大菩薩峠」
...江戸ッ児気取りで...
中里介山 「大菩薩峠」
...自分にも召使の分限だ――という主人気取りは多分に残されてあるが...
中里介山 「大菩薩峠」
...その翌日になるともう我が家気取りでおとなしく炉辺を守っている...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...子供の癖にいっぱしの女房気取りで...
林芙美子 「泣虫小僧」
...「おやー! ほらあの人達夫婦気取りよ」でぶのシルヴィが言った...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...映画スター気取りのモデルは...
久生十蘭 「あなたも私も」
...そして歌の名手気取りであつた私の顔を凝つと眺めてゐたものだ...
牧野信一 「武者窓日記」
...旅だから遠慮は入らぬ純然たる夫婦気取り...
正宗白鳥 「空想としての新婚旅行」
...そこへいくとあたいたちはみえも気取りもありやしない...
山本周五郎 「契りきぬ」
...いや官吏の奥さんめいた気取りがちッともなく...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...中国人の筆法そつくりにかいて中国人を気取り...
吉野秀雄 「秋艸道人の書について」
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