...祖母は眼鏡をかけながら『婆さんの気丈なのも真似が出来ないけれど...
伊藤野枝 「白痴の母」
...ふだんはまことに気丈な阿母(おふくろ)なのですが...
橘外男 「蒲団」
...それを聞くと気丈な夫人も思わずぞっとした...
田中貢太郎 「天井裏の妖婆」
...一杯だけ」気丈な妻も自分の退院をやはり祝おうとするのか...
外村繁 「日を愛しむ」
...ごく気丈な名手をも惘然(ぼうぜん)たらしむるほどのものだった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...この気丈な娘にしてこの悲しみ...
中里介山 「大菩薩峠」
...御安心下さい」気丈なおかみさんは...
中里介山 「大菩薩峠」
...さしもの気丈なおかみさんが...
中里介山 「大菩薩峠」
...八重は気丈な娘でございますから...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...気丈な婆さんだと書いてあった...
長谷川時雨 「明治美人伝」
...あの気丈なお師匠さんが蒲団をかぶってうんうん唸ってやしたよ...
牧逸馬 「助五郎余罪」
...気丈な婦人なので起きて出歩いてもいられるそうです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...お松と云って、痩(や)せた、色の浅黒い、気丈な女で、年は十九だと云っているが、その頃二十五になっていたお金が、自分より精々二つ位しか若くはないと思っていたと云うのである...
森鴎外 「心中」
...頼尚(よりひさ)はしいて語気に気をつけながら「なかなか気丈な老父でございます...
吉川英治 「私本太平記」
...気丈な乳母のたみも...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...嵐の去った跡のように、シーンとなった万吉の留守宅には、狼藉(ろうぜき)に取り散らかされたものの中に、お吉が箪笥の鐶(かん)によりかかって、ほつれ毛もかき上げずに、いつまでも今の口惜しさにおののいていた――が、気丈な女、泣いてはいない...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...「ウム!」と気丈な安井同心...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...しかし気丈な老婆は...
吉川英治 「宮本武蔵」
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