...よくある不良青年の気まぐれなどではなくて...
江戸川乱歩 「黒手組」
...鳶が空で気まぐれな唄をうたつてゐる日でも...
薄田泣菫 「茶話」
...いつのまにやら誰も知らないうちに産みつけられた卵から孵(かえ)った蛆(うじ)のような気まぐれな考えを頭に宿したのが出てくる...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...健忘症の政治家や気まぐれな学界元老などの手に任せておくにはあまりに大切な仕事である...
寺田寅彦 「新春偶語」
...孤独放浪の気まぐれな憧れだった...
豊島与志雄 「父の形見」
...気まぐれな思いつきの招待だろう...
豊島与志雄 「白塔の歌」
...あれで済んだのは、自分のためにも、ことに女のためにはドレほど幸運であったか知れないと、兵馬は、二人の後ろ影を見送りながら、気まぐれな、酔っぱらい芸者のために、心ひそかに祝福しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...「表現」は永遠に不実な、気まぐれな、精神の恋人である...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...――気まぐれな植民地育ちの夢想児は...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...こうした病気は気まぐれなもので...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...私の友の気まぐれな好み(というよりほかに何と言えよう?)であった...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「モルグ街の殺人事件」
...そういう気まぐれな私を責め訴えるかのように...
堀辰雄 「美しい村」
...殊にこの手帳に描かれてあるような私の悲劇的な姿なんぞはほんの気まぐれな仮象にしか過ぎないのだ...
堀辰雄 「楡の家」
......
槇村浩 「間島パルチザンの歌」
...(a)わたしはそれの果実と享受とをただ空(くう)で気まぐれな評判を通して感じているにすぎないことをさとる...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...部分的な気まぐれな人間の法律にかじりつく...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...梢(こずえ)の枝は繁りに繁ッて日の目を蔽(かく)すばかり,時々気まぐれな鳩が膨(ふく)れ声で啼(な)いているが...
矢崎嵯峨の舎 「初恋」
...気儘(きまま)な御大名の気まぐれな思附きでも一方から見ればその大名の好事心...
柳田國男 「地名の研究」
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