...一村のとほりにそうた、青い窓とびらのついた小さな家(うち)に、気どりやの、そのくせ、お金にかけては、をかしなほどこまかな、おばあさんが、女中と二人で、ひつそりとくらしてゐました...
鈴木三重吉 「小犬」
...表面は殉教者気どりでいるその偽善ぶりを俺たちは憎んでいた...
高見順 「いやな感じ」
...この姐御気どりはどうやら百成に対しても同じなのではないか...
高見順 「いやな感じ」
...だが今となっちゃ――まっぴら御免だ! もうその手にゃ乗りませんや! もう沢山! 黒いひとみ、情熱的な眼、まっかな唇、頬っぺたのエクボ、月の光、ささやき、ひそやかな息づかい――それを引っくるめてやるといわれたって、ええ奥さん、わたしは銅銭一枚だって出しませんね! 目の前にいる人はさておくとして、一たい女というものは老若を問わず、みんなお高くとまって、気どりやで、金棒ひきで、いじわるで、骨のずいまで嘘つきで、虚栄のかたまりで、こせこせして、不人情で、おまけに鼻もちならんロジックを振りまわすですな...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「熊」
...気どりながら門のなかへ入ってきた時...
中村地平 「南方郵信」
...すっかり職工気どりであった...
原民喜 「壊滅の序曲」
...愚か者で気どり屋だと無条件に決めつける人よりも...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...」「やきもち喧嘩は真平御免だ!」自分こそ洛陽の通人気どりである奇態なソフイストは...
牧野信一 「山彦の街」
...気どり屋のおすまし...
ルイザ・メイ・オルコット L. M. Alcott 水谷まさる訳 「若草物語」
...戯作者気質ののこっていた通人気どりの文士たちならば...
宮本百合子 「「大人の文学」論の現実性」
...すっかり下世話の女房気どりになって...
吉川英治 「剣難女難」
...もう高位顕官を気どり込み...
吉川英治 「三国志」
...はやくも公卿大将気どりでいる忠顕のことばが...
吉川英治 「私本太平記」
...まるでもうそれは主権者気どりではないか...
吉川英治 「私本太平記」
...大人びた豪傑気どりを持っていたものでおざったが...
吉川英治 「親鸞」
...毎日怪しげな芭蕉気どりで...
吉川英治 「随筆 新平家」
...どこか貴族気どりに取り澄ますくせはあるが...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...貴婦人気どりで歩道を行ったり来たりした...
吉行エイスケ 「女百貨店」
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