...わたしゃお前に二つ三つ咬(か)みついてやらなければ気が済まない」これにはわたしも全くおどかされてしまったが...
魯迅 井上紅梅訳 「狂人日記」
...実は何でもない日常の些事(さじ)をも一々解剖分析して前後表裏から考えて見なければ気が済まない二葉亭の性格が原因していた...
内田魯庵 「二葉亭追録」
...だけれどあの人はなんにでも鬱金香を付けなくちゃあ気が済まないのだもの...
ストリンドベルヒ August Strindberg 森鴎外訳 「一人舞台」
...何かしら他人と変った高価なものでなければ気が済まないという...
谷譲次 「踊る地平線」
...でないと僕も気が済まないから...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...あたしは気が済まない……そのおでこ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「熊」
...柳沢の様子を見なければ気が済まないで久しぶりに行って見た...
近松秋江 「うつり香」
...長い休止の後に来る最初の満員電車に先を争って乗らなければ気が済まないように見える...
寺田寅彦 「電車の混雑について」
...あの沼まで行って見ないと気が済まないの...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼は夕飯を終へると散歩に出掛けるか誰か知人を訪問するかしなければ気が済まないのであつた...
中原中也 「古本屋」
...社会の方で安さんを殺したとしてしまわなければ気が済まない...
夏目漱石 「坑夫」
...何か天下を驚かす様な内容でなければ気が済まないのだとしか解釈出来ない...
夏目漱石 「『煤煙』の序」
...母に対しては如何(いか)にも気が済まない...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...君には何も彼も云つてしまはなければ僕の気が済まないから……」「伊達ツて...
牧野信一 「塚越の話」
...今でも俳句などをやる人は杜若と書かないと気が済まない...
牧野富太郎 「植物記」
...それでもチョット一言せぬと気が済まない...
牧野富太郎 「植物記」
...犬的な人は何物をも穢くしなくては気が済まない...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...東京を離れるのさえ気が済まないような気がしていた...
夢野久作 「衝突心理」
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