...三越に緋毛氈を、松屋に五人囃と貝雛とを買ひ、貧しく乏しい心を抱いて衢に出ると、雨がハラハラと降つて來た...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...まことに活きたる五色の氈(かも)と見るべく...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...緑なる氈(かも)の如き草原の上なる薄ぎぬは...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...絨氈の模様がドス黒いので...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...強く絨氈をこすって...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...毛氈(まうせん)を老樹(らうじゆ)の下(もと)にしき烟(たばこ)くゆらせつゝ眺望(みわたせ)ば...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...毛氈の上へぐったり嫌(いや)らしく寝崩れた儘...
谷崎潤一郎 「秘密」
...げんげが赤い毛氈(もうせん)を敷いたようにきれいに咲いた...
田山花袋 「田舎教師」
...美しい青草の毛氈(もうせん)の上に安らかに長く手足を延ばして寝ている黄金色の猫の姿が...
寺田寅彦 「備忘録」
...阿蘭陀(おらんだ)渡りの大毛氈を敷きつめ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...氈帽を目深かに冠むつてゐ...
堀口九萬一 「フランソア・コッペ訪問記」
...木蔭の芝生に毛氈など敷いて夜桜を仰ぐ晩のことが...
牧野信一 「サクラの花びら」
...氈を以てこれを裹(つつ)めば数日内に毛生ず...
南方熊楠 「十二支考」
...エカテリナ二世宮殿の毛氈の上を歩いた...
「赤い貨車」
...赤毛氈や茣蓙(ござ)を敷いて重箱を開くもあれば...
山本笑月 「明治世相百話」
...地上に緋氈(ひせん)を敷いて...
吉川英治 「大岡越前」
...毛氈(もうせん)を」ひかえの毛氈を持って来て...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...躰上に毛氈(もうせん)と油紙とを被(かふ)れども何等(なんら)の効(こう)もなし...
渡邊千吉郎 「利根水源探検紀行」
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