...三越に緋毛氈を、松屋に五人囃と貝雛とを買ひ、貧しく乏しい心を抱いて衢に出ると、雨がハラハラと降つて來た...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...毛氈(まうせん)も見(み)えれば...
泉鏡太郎 「飯坂ゆき」
...天井から壁一面に黒天鵞絨(びろうど)の掛毛氈(かけもうせん)で覆われ...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...静かに絨氈の白い楕円の中に横たわった...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...絨氈の上の黒い死骸...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...げに限りも知らぬ花の隧道、下ゆく水に映じて、上下みな花、堤の上には、青草氈を敷き、紅なるぼけの花さきつゞきて、一種の花紋を添へ、見上げ見下すながめ、目もあやに、幾んど、應接に遑あらず...
大町桂月 「小金井の櫻」
...緋毛氈(ひもうせん)を敷きつめる...
竹久夢二 「春」
...二畳ばかりの緋毛氈(ひもうせん)を敷き...
谷崎潤一郎 「秘密」
...小形の緑絨氈(みどりじうたん)のカバンを提げて...
徳冨蘆花 「熊の足跡」
...また絨氈の上へ坐らねば失礼であるのだか...
中里介山 「大菩薩峠」
...絨氈(じゅうせん)を贈った...
中島敦 「李陵」
...木蔭の芝生に毛氈など敷いて夜桜を仰ぐ晩のことが...
牧野信一 「サクラの花びら」
...竜女の父竜王の謀(はかりごと)で妙好白氈(はくせん)に剣を包んで烏仗那(うじゃな)国王に献じ...
南方熊楠 「十二支考」
...毛氈(もうせん)の上に重箱を開いて酒を飲んでいる連中が幾組もあった...
宮本百合子 「高台寺」
...中央なる机には美しき氈(かも)を掛けて...
森鴎外 「舞姫」
...緋(ひ)の毛氈(もうせん)が敷いてあり...
山本周五郎 「屏風はたたまれた」
...することもなく毛氈(もうせん)や床几(しょうぎ)にならんで待っていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...緋の絨氈(じゅうたん)の上でお化粧を始めていた...
吉行エイスケ 「大阪万華鏡」
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