...窓より窓へ毬(まり)投げつゝ戲れ居たり...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...さながら丹波栗の毬(いが)を泥濘路(ぬかるみ)にころがしたやう...
石川啄木 「雲は天才である」
...耳の根へかけて胡麻塩髯(ごましおひげ)が栗の毬(いが)のように...
泉鏡花 「婦系図」
...此の毬の表面に有名な山を浮き出させる...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...自分の頭髪(あたま)が栗の毬(いが)のやうに伸び過ぎてゐるのに気が注(つ)いた...
薄田泣菫 「茶話」
...手毬のところが欠けてる人形を持ち...
豊島与志雄 「窓にさす影」
...和尚さんは柴(しば)の中から松毬(まつかさ)を拾ひ出して...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...また手毬が始つた...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...毬は、山へ連れて行かれたので急に元気になって勝手にはね廻って、ころ/\、転んで、そのまゝ、「この山は僕の絵と似てるな」と云って、ねころんでしまったのでしょうか...
原民喜 「山へ登った毬」
...「犯人は毬栗頭...
久生十蘭 「魔都」
...頭を毬栗坊主にした人間がうじやうじやゐるんだ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「狂人日記」
...小柄な妹が毬の様に弾んで行って突調((ママ))子もない柱等にいやと云う程体を打ちつけて泣き出したりするのを見て面白がって居た...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...雨が降る――風が吹く土(つち)のお宮は淋しかろ 寒かろう送ってあげたや紅の地に金糸の花を縫い取って真綿を厚く夜の衣(きぬ)それにそえては虹のよな糸でかがった小手毬を――日はひねもす夜は夜もすがら銀の小針をはこばせて縫いは縫うたが悲しやな送りたいにもつてはなし土のお宮にただ一人妹(いも)を送りし姉娘縫いあげし衣(きぬ)手に持ちてわびしく一人たたずめる...
宮本百合子 「悲しめる心」
...ちょうど小さな毬(まり)のようであった...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...夜もこの新らしい手毬を枕(まくら)もとにおいて...
柳田国男 「母の手毬歌」
...やや間(ま)の早いつき毬の歌で...
柳田国男 「母の手毬歌」
...「やあ、あれは高毬(こうきゅう)じゃないか」「おお、ちげえねえ、高毬だ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...彼が得意とする毬(まり)を掌(て)の上に乗せたようなものだった...
吉川英治 「新・水滸伝」
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