...日置夫妻は毫末も吾死を念とすることなく...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...吾々とてその新しい珍らしい変化とか新思想を毫末(ごうまつ)も嫌うのではない...
伊藤左千夫 「子規と和歌」
...長塚には毫末もない様であった...
伊藤左千夫 「正岡子規君」
...それ自身は決して一枝毫末(いっしごうまつ)の改変をも肯(き)き入れない...
魯迅 井上紅梅訳 「頭髪の故事」
...虎や狼の咬み合い殺し合いと毫末(ごうまつ)も違わぬ...
丘浅次郎 「人類の生存競争」
...ここは毫末(ごうまつ)の不純なるものなき...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...毫末も顧慮するところがあってはならぬということはいうまでもあるまい...
津田左右吉 「芸術と国民性」
...外界に如何なることが起らうとも毫末も之によりて攪擾されぬといふ境界即ち「アタラクシア」の状態に到達しなければならぬ...
朝永三十郎 「懷疑思潮に付て」
...主人側は彼らを侮辱する意志はむろん毫末(ごうまつ)もない...
新渡戸稲造 「自警録」
...こういう不始末が毫末(ごうまつ)もなかった...
新渡戸稲造 「ソクラテス」
...×国に対する戦争の危機を緩和せんとする努力を毫末(ごうまつ)も示さざるのみならず...
平林初之輔 「鉄の規律」
...いやしくも命に違う者は毫末(ごうまつ)も容赦するところなく...
穂積陳重 「法窓夜話」
...毫末も悔としないことだらうと...
正岡容 「浅草燈籠」
...泊る妓の蚊帳の向ふで櫛を替へ泊る妓の汗よけだけがつるさがり泊る妓の肌着になるとちぢこまりかんざしと櫛とを置いてスルリ寝る小待合蚊帳のつり紐ふと見かけニア人になると芸者のカレライスのめばいいんでシヨと芸者トヲ十五十二時が過ぎて待合おもしろし一誦よく岡場所の艶笑場面を賦して毫末も卑賤の感を与へないのはまことにまことに凡手ならざるものがあるではないか...
正岡容 「旧東京と蝙蝠」
...あべこべにこっちの懐中(ふところ)からいくらか出してバラまいてやったとて毫末(ごうまつ)も差し支えないというような嬉しい気ッ風が骨身にまで侵み込んでしまっている次郎吉のようなものにとって...
正岡容 「小説 圓朝」
...こうした孝助の転々さは圓朝自身の少年時の姿を毫末も変らず...
正岡容 「我が圓朝研究」
...彼れは自家の位地を占むることに於て毫末も仮借(かしやく)せざるなり...
山路愛山 「明治文学史」
...毫末(がうまつ)も区別をつけてゐない...
吉野秀雄 「秋艸道人の書について」
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