...日置夫妻は毫末も吾死を念とすることなく...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...少しも氣取りげなく毫末も先輩を以て居るといふ風はない...
伊藤左千夫 「竹の里人 一」
...それ自身は決して一枝毫末(いっしごうまつ)の改変をも肯(き)き入れない...
魯迅 井上紅梅訳 「頭髪の故事」
...これに毫末(ごうまつ)も政治的術策を加味すべきでない...
大隈重信 「永久平和の先決問題」
...ずつとvon langem her (同前)nicht im geringsten 毫末もnicht im entferntesten (同上)和譯P.1791.この婆さんは戰爭のためにすつかり逆上してゐた...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...」少女も私に対しては毫末の警戒も含羞もなく...
太宰治 「津軽」
...ここは毫末(ごうまつ)の不純なるものなき...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...それには毫末の関係なく...
津田左右吉 「神代史の研究法」
...主人側は彼らを侮辱する意志はむろん毫末(ごうまつ)もない...
新渡戸稲造 「自警録」
...こういう不始末が毫末(ごうまつ)もなかった...
新渡戸稲造 「ソクラテス」
...これに依って毫末も影響せられないという事を陳述した...
穂積陳重 「法窓夜話」
...泊る妓の蚊帳の向ふで櫛を替へ泊る妓の汗よけだけがつるさがり泊る妓の肌着になるとちぢこまりかんざしと櫛とを置いてスルリ寝る小待合蚊帳のつり紐ふと見かけニア人になると芸者のカレライスのめばいいんでシヨと芸者トヲ十五十二時が過ぎて待合おもしろし一誦よく岡場所の艶笑場面を賦して毫末も卑賤の感を与へないのはまことにまことに凡手ならざるものがあるではないか...
正岡容 「旧東京と蝙蝠」
...あべこべにこっちの懐中(ふところ)からいくらか出してバラまいてやったとて毫末(ごうまつ)も差し支えないというような嬉しい気ッ風が骨身にまで侵み込んでしまっている次郎吉のようなものにとって...
正岡容 「小説 圓朝」
...毫末も嫌味のない江戸前の哀調で...
正岡容 「大正東京錦絵」
...こうした孝助の転々さは圓朝自身の少年時の姿を毫末も変らず...
正岡容 「我が圓朝研究」
...最早某が心に懸かり候事毫末(ごうまつ)も無之...
森鴎外 「興津弥五右衛門の遺書(初稿)」
...彼れは自家の位地を占むることに於て毫末も仮借(かしやく)せざるなり...
山路愛山 「明治文学史」
...毫末(がうまつ)も区別をつけてゐない...
吉野秀雄 「秋艸道人の書について」
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