...涙を分ちながら而も結局は小さい自己の一毫をも磨き落させずには措かない處に凡ての人類に對する哲學的な愛があるのである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...この試験によりて精神に毫(ごう)も異常なきことを承認するを得ば...
井上円了 「甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」
...日夕親炙(しんしゃ)したものの求めにさえ短冊の揮毫は固く拒絶した...
内田魯庵 「鴎外博士の追憶」
...予期した訊問に対して不利な反応を示しても毫(ごう)も恐れることはないのだった...
江戸川乱歩 「心理試験」
...いかに文明が進んでも人間の幸福は毫(ごう)も増すものではない...
丘浅次郎 「戦争と平和」
...毫も個人的好尚を...
高木敏雄 「比較神話学」
...まだ身辺整理が片付かない、洗濯、裁縫、書信、遺書、揮毫、等、等、等...
種田山頭火 「其中日記」
...ただ幕府政権の一毫毛(ごうもう)をも...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...舊自由黨が之れを以て毫も自由黨に渉らずと辯じ...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...小膽褊狹毫も人材を籠葢するの才なしと或は彼を政界の死人なりと笑ひ...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...豈一毫の怨恨あらむや...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...毫端(ごうたん)に泥を含んで双手に筆を運(めぐ)らしがたき心地がする...
夏目漱石 「虞美人草」
...愛想(あいそ)を尽かされて毫(ごう)も気が付かずにいた...
夏目漱石 「道草」
...実際と寸毫(すんごう)の喰い違いもありません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...賞讃を示す容子の毫もないのが...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...その銅像の銘には古賀得四郎氏揮毫の隷書で左の意味の文句が刻んで在る...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...それに唯翁が茶杓の一枝を手に取りて構へられたる形のみが厳然として寸毫の隙を見せざる其の不思議さは何の姿に候ぞと人々はこの点を驚嘆せしものに候...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...寸毫(すんごう)...
吉川英治 「三国志」
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