...彼は心に浮んで来る宮崎の蝙蝠のやうな眼を持つた影像をむしやくしやに掻き毟り掻き毟りした...
新井紀一 「怒れる高村軍曹」
...草毟(くさむしり)の若い人が居(お)りませう……ふと思ひ着きました...
泉鏡花 「印度更紗」
...彼(かれ)は苦(くる)しさに胸(むね)の辺(あたり)を掻(か)き毟(むし)り...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六号室」
...もう先程のように道端に蹲んで金鳳花の花を毟ったり橋の袂から背伸びして薄の穂を折り...
田中英光 「箱根の山」
...又暫(しばら)く毟(むし)っていて...
谷崎潤一郎 「細雪」
...まだ掘(ほ)らぬ墓穴(はかあな)の尺(しゃく)を取(と)ることも出來(でけ)うずれ!ロミオ頭髮(かみのけ)を掻毟(かきむし)り仰向(あふむけ)に倒(たふ)れて歎(なげ)く...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...チッバルトを殺(ころ)しをった彼奴(あいつ)の肉體(からだ)をば掻毟(かきむし)って...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...さういふ自他のけぢめを掻き毟つたやうな行為は少くなるんだし...
中原中也 「私の事」
...――あの拝殿の鈴を毟(むし)り取るのは...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...寺男の弥十は庭の草を毟(むし)り始めた時分でした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...髪でも毟(むし)られたんだろう」「それどころじゃねえ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...娘のお菊を毟(むし)り取ります...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...無理に毟(むし)り取られた人たちに返され...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...出されたカステイラを毟つて食べ...
長谷川時雨 「八歳の時の憤激」
......
逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...あちこちボッコリと毟り取ったように毛が抜けて...
矢田津世子 「鴻ノ巣女房」
...必ずいつかは絶望に身を掻(か)き毟(むし)り...
山本周五郎 「はたし状」
...羽を毟(むし)りだす...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
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