...彼は心に浮んで来る宮崎の蝙蝠のやうな眼を持つた影像をむしやくしやに掻き毟り掻き毟りした...
新井紀一 「怒れる高村軍曹」
...草を毟(むし)れ...
泉鏡花 「印度更紗」
...張りつむる胸を毟(むし)る...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...枯れ薄の穂先を毟ってくる...
田中英光 「箱根の山」
...一郎は毟った花を大切そうに右手に持ち...
田中英光 「箱根の山」
...もう先程のように道端に蹲んで金鳳花の花を毟ったり橋の袂から背伸びして薄の穂を折り...
田中英光 「箱根の山」
...又暫(しばら)く毟(むし)っていて...
谷崎潤一郎 「細雪」
...あの時夫がしたように平戸の花のよごれたのを一つ一つ毟(むし)り始めた...
谷崎潤一郎 「細雪」
...毟つてはしやぶりつゝ行くのである...
長塚節 「痍のあと」
...他人に毟(むし)り取られてしまうくらいなら...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...寺男の弥十は庭の草を毟(むし)り始めた時分でした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...髪を毟(むし)られたり...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...無理に毟(むし)り取られた人たちに返され...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...真中は毟(むし)ったように切れて居ますが――」「その手拭に石を包んで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...殘酷に折り重なつて毟られた毛並と反對の...
室生犀星 「命」
...あちこちボッコリと毟り取ったように毛が抜けて...
矢田津世子 「鴻ノ巣女房」
...跡形もなく「朗らかさ」を毟(むし)り取って仕舞った...
蘭郁二郎 「夢鬼」
...掻き毟られるように...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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