...毛程も知らないくせに失敗を非難するなんてひどい...
...その仕事は毛程難しくありません...
...彼女の腕の傷は毛程大きくありませんでした...
...結婚の相手については、毛程決めていません...
...彼は毛程も疑わしい人物ではなかった...
...手古奈とて忍男其人に毛程の厭がないは...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...億劫な風など毛程も見せない...
伊藤左千夫 「姪子」
...髪の毛程の手掛りも掴むことが出来なかった...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...刀持つ手に毛程の筋の亂れも見せず...
高山樗牛 「瀧口入道」
...兄も姉も彼が汽車で立つたことを信じて居たので二人がこんなことをして居ようとは毛程も勘付かなかつたのである...
長塚節 「開業醫」
...証拠は毛程も残らずに...
野村胡堂 「踊る美人像」
...これは間違ひもなく先代の御書きになつたもので御座います」徳三郎の言葉には毛程の疑ひもありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...後に毛程の證據も殘しません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...毛程も見落さじとする樣子です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...二十歳の若さで毛程の魅力も美しさもありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「私(わし)の父親の惣五郎(そうごろう)は、水野様御先代が肥前唐津に御在城の頃、御出入をしたことのある身分だ、水野様には海山の御恩こそあれ、毛程の怨も無い、今度も鳥居甲斐守の御指金(おさしがね)で危く打首にもなるところを、殿様の御言葉一つで助かった私(わし)だ、――神様のような越前守様を、夢にも怨んではならぬ、お前の姉の仇は鳥居甲斐守様だ――」「父さん」「お豊お詫を申上げろ、要次郎も降りて来い、何んと言う無法なことをするのだ」老人はお豊の頭を大地に押えて、樹の上の要次郎を叱り飛ばしたのでした...
野村胡堂 「礫心中」
...毛程の邪魔もなく私の身を軽々とその翼に抱き...
牧野信一 「鱗雲」
...現在の彼にとつては毛程の興味もない過去のセンチメンタルな「秘蔵品」なのである...
牧野信一 「鏡地獄」
...毛程もそんな気分は味はへずに...
牧野信一 「鏡地獄」
...そしてその時の自分のことは毛程も洩さぬのみか...
牧野信一 「父の百ヶ日前後」
...幼時を懐しむ感傷などはそれこそ毛程も起らず...
牧野信一 「貧しき日録」
...毛程もまじり気のないあどけなさを思い出すと...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...平馬は、顎(あご)のあたりに手をやって、「拙者なぞ、そなたほどの女子(おなご)に、せめて、毛程でも、怨(うら)むなり、憎むなりして貰いたいものじゃ」「そんな空世辞よりも、先生、あなただって、雪之丞を、あのままにして置いていいのですか――あんな寒い田圃中で、ぶちたおされてさ」平馬は、お初を、白い目で見て、その目を反(そ)らして、「いや、断じて、あのままには免(ゆる)し置けん――とは、思っているが――」「じゃあ、やっぱし先生も、あんな女の腐ったような男が、そんなに怖ろしくッてならないのですか?」お初は、嘲(あざ)けりを露骨に出す...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
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