...忽然としてろくでなしの範疇の中へ沈没してしまう壮観はちよつと比類のないものである...
伊丹万作 「雑文的雑文」
...この比類のない蒐集は大震災で烏有(うゆう)に帰した...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...それほどまでに雄の持つ比類のない敏感さは...
薄田泣菫 「独楽園」
...文壇にも他に比類のない第一人者であるのは...
田山録弥 「正宗君について」
...彼こそ比類のない巧妙な手際(てぎわ)を有(も)った作者と云わなければなるまいという気を起した...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...後にも前にも比類のないものである...
野村胡堂 「楽聖物語」
...わけてもその滋味と深沈たる美しさは比類のないものであると私は思う...
野村胡堂 「楽聖物語」
...全く比類のない変ったものだったのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...)僕は一人の薄弱で敏感すぎる比類のない子供を書いてみたかつた...
原民喜 「心願の国」
...この島で比類のない無頼放縦な生活がつづけられていたのである...
久生十蘭 「海豹島」
...その比類のない場所で天使どもに奉仕されるであらう...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「或女友達への手紙」
...その比類のないところへ...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...宮のお愛しになることも比類のない御孫であったが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...瞳といふものの圓みが人間の持つてゐる比類のない涯(はて)しない...
室生犀星 「はるあはれ」
...比類のない名刀だから主がいなくてはちと不安心だ...
吉川英治 「宮本武蔵」
...堅い岩盤であったにも拘らずそれを比類のない速さでやってのけたピーボディの装置...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...それらの標高は比類のないほど恐るべきもののはずだ――その高みたるや...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...恐らく世界に比類のない偉大な観音が立っている...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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