...彼は比類なく深く善い愛の所有者であり使役者であった...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...処で、仏陀を卓越した生理学者であると見、彼の教を、世にも比類なく、科学的に進歩した養生法に他ならないと見てゐるところの我がニイチエは、シヨオペンハウエルなぞと比較して見た場合、如何に仏陀が彼の中道又は八正道の根本態度を重要視してゐたかを、同日に談じ難きまでに、実により正しく、より深く理解してゐるやうに思はれる...
生田長江 「ニイチエ雑観」
...比類なく輝かしい高所に位する傑作である)...
井上良夫 「J・D・カーの密室犯罪の研究」
...彼女は比類なく豊富な天才をもち...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...のちに鎌倉右大臣家集または金槐和歌集と呼ばれた古今に比類なく美しい御和歌集を御自身のお手によつて御編纂なされたのでございますが...
太宰治 「右大臣実朝」
...勿論先生の比類なく高い教養と...
中谷宇吉郎 「文化史上の寺田寅彦先生」
...人口の衆多なること兵士の武勇なること近国に比類なくして...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...同時に比類なく個性的な魅力をもっているので...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...特に娯楽の多種多様において比類なく偉大である...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...雁皮の美は比類なく...
柳宗悦 「和紙の美」
...「世の中の美しいものゝなかで二つのものが比類なくなしとげられてゐる...
吉江喬松 「山岳美觀」
...右のうち、桜井佐吉の戦功については「老人雑話」に、――志津ヶ嶽合戦のみぎり、桜井佐吉が高名、比類なく、七本鑓(やり)の衆にも勝れり...
吉川英治 「新書太閤記」
...比類なく優れた場所であったばかりでなく...
和辻哲郎 「鎖国」
...一つにはフロイスが熱心な宣教師であると共にまた比類なく優れた記者であったこと...
和辻哲郎 「鎖国」
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