...さういふ変つた毛嫌ひに比べると...
薄田泣菫 「茶話」
...一点柔媚(じゅうび)の色気とエゴイズムのかげとを持つ趙子昂(ちょうしこう)の人物などと思い比べると尚更はっきり此事がわかる...
高村光太郎 「書について」
...前の『かつら』などと比べると...
田山録弥 「三月の創作」
...それにもました戀の苦しみがあるではないかかの女は次第にその身の悶えをあたりの人達に比べるやうになつた...
田山花袋 「道綱の母」
...九州人と東北人と比べると各個人の個性を超越するとしてもその上にそれぞれの地方的特性の支配が歴然と認められる...
寺田寅彦 「日本人の自然観」
...よく男にでたらめな話の応答(うけこたえ)などの出来た以前の自分に比べると...
徳田秋声 「爛」
...ヨハン・セバスチアン・バッハやラモーなどの精緻なあるいは巧妙な楽句に比べると...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...陸に比べると無尽蔵といってよい...
中里介山 「大菩薩峠」
...それに比べると、わたしなんぞは、わたしなんぞは全く、この世の馬鹿の骨頂でございますよ」と言って、芸者の福松は泣きじゃくりながら、ちょっと見得(みえ)をきるように面(かお)を上げて、兵馬を斜めに見ました...
中里介山 「大菩薩峠」
...それに比べると打越さんは...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...人間の美しい性質に比べると...
久生十蘭 「キャラコさん」
...落ち着いた感じと比べると...
古川緑波 「富士屋ホテル」
...須磨の家に比べるとここは非常に明るくて朗らかであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...煮たり焼いたりしたのと比べると色がずっと白いからで...
柳田国男 「木綿以前の事」
...それに比べると遥(はる)かに無力なるこんな記録が...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...これに比べるとあの晩...
山本周五郎 「思い違い物語」
...正木博士と私の顔を霞んだ眼で等分にキョロキョロと見比べると...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...それに比べると選挙人の家庭にあって候補者の優劣を批判しつつ選挙人の権利を擁護する婦人たちはあくまでも公平の見識を保つことが出来る訳である...
与謝野晶子 「鏡心灯語 抄」
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