...しかしあれに比べると...
芥川龍之介 「仏蘭西文学と僕」
...地球とモロー彗星とがぶつかるその大きな力に比べると...
海野十三 「火星兵団」
...貴下(あなた)が三年ばかし遅れて往らしたのに比べると...
薄田泣菫 「茶話」
...簡潔な言葉の中に無限の人情の世界を現出させ少しもあせらずに單調に落着いて然し不思議な波瀾を生んでゆく數奇な運命を卷き起す筆の魔力には感嘆する日本人の書いたものはこんなものに比べると實に貧しい...
千家元麿 「自分は見た」
...木村に比べると、何という不器用な接吻の仕方であろうと思いながら、この「夫」の変にくすぐったい舌の感触を、そう一概に気味悪くは感ぜずに、―――まあ云ってみれば、その気味の悪いところにもおのずから一種の甘みがあるという風に思いながら、味わうことができたのであった...
谷崎潤一郎 「鍵」
...これに比べると「モロッコ」の太鼓とラッパの一貫したモティフの繰り返しはよほど洗練されたものである...
寺田寅彦 「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...ほぼ同年頃の吾等(われら)の子供等と比べると眉宇(びう)の間にどことなしに浮世の波の反映らしいものがある...
寺田寅彦 「初冬の日記から」
...恋愛は友情に比べるとつまらないもののように思われた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...どう云ふものであるかと云ふ事を比べる必要がある...
内藤湖南 「日本國民の文化的素質」
...女の声と血色とを蝋燭の光で見比べるように...
中里介山 「大菩薩峠」
...こんなごろつき手に比べると主人などは遥(はる)かに上等な人間と云わなくてはならん...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...あれで、権堂に騙(だま)されて、虎の子を捲き上げられた数十万の預金者達も、少しは潤おうことになるでしょう、それに比べると、権堂を捕えたのは、ホンの景物です、捕えようと思えば、もう十日も前に捕えられたんですから……...
野村胡堂 「悪人の娘」
...平次が手を廻して笹屋の亭主の書いたものと比べると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...字の地名は小字に比べるとはるかに永い寿命があろうと思う...
柳田國男 「地名の研究」
...関西方面に比べると...
柳田国男 「年中行事覚書」
...村の女たちに比べるとまだおとなしいほうです...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...没線画と線画との間をさまよっている他の画に比べると...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...そういう政治的支配者の衰微した状態に比べると...
和辻哲郎 「鎖国」
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