...弟にはピンセツトだの毒壺だののはひつた採集鞄を持たせ...
太宰治 「思ひ出」
...毒壺も、採集箱もそろつてゐます...
牧野信一 「サンニー・サイド・ハウス」
...毒壺の中では一つの玉虫と甲虫(かぶとむし)が苦悶してゐます...
牧野信一 「サンニー・サイド・ハウス」
...毒壺を指さしてゐました...
牧野信一 「サンニー・サイド・ハウス」
...僕の部屋で、机の上に誘蛾灯があり、空の毒壺、空の標本箱――そんなものばかりが空しく写つてゐる、その間に酒徳利などもある――窓があけ放してある――人影は見あたらない――春になつたら採集を仕事の合間に試みようと思つて、たしかに僕は斯んな道具だてをしたのであるが、採集の夢にばかり耽つて、毎日々々何もしないで、皆にかくれて、ぼんやりと過してゐたのです...
牧野信一 「サンニー・サイド・ハウス」
...毒壺の中へ投げ込む昆虫採集者の助手に相違ないぞ!」「いゝ加減におふざけなさいツ...
牧野信一 「蝉」
...とにかく標本にしといて御覧……学界に報告してみるから……」青酸瓦斯(ガス)にみちみちた硝子(ガラス)の毒壺に入れられるべくピンセットで挟み上げられた時...
夢野久作 「髪切虫」
...長羅は毒壺を足で蹴った...
横光利一 「日輪」
...艶なる魔魅(まみ)、誘惑の毒壺から、紅(あか)と紫色の焔が燃えているような瞳――「おどろくことはない...
吉川英治 「剣難女難」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??