...ハイネはこの「ドイツ・ロマン主義運動」の一節の中(うち)に芸術の母胎へ肉迫してゐる...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...彼は『母胎』という言葉に似たものを感じながら...
梅崎春生 「幻化」
...死(し)の母胎(ぼたい)め...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...つい今しがた母胎を出たばかりなのに...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...批評の母胎となり批評の端緒(ヘーゲルやマルクスが尊重したあの端緒の意味に於ける)となるものが他ならぬ印象だというその強みは...
戸坂潤 「所謂批評の「科学性」についての考察」
...この母胎を離れて一つの独自な秩序界を展開する...
戸坂潤 「クリティシズムと認識論との関係」
...之が今日のロシア共産党の母胎たる社会民主主義労働党の前身である...
戸坂潤 「辞典」
...民衆の自主的結合の母胎であり民衆利害の最大公約数的代表者であるということだ...
戸坂潤 「社大党はファッショ化したか?」
...人民戦線の母胎たるべき社大党以外に...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...吾々の文学一般の背景的母胎となる...
豊島与志雄 「小説・評論集「文学母胎」後記」
...まだ其処まで単独のものでなく母胎の命の中の一物であるうちに母が胎児の幸福と信ずる信念通りにこれを左右する事は母の権内にあつていゝ事と思ひます...
原田皐月 「獄中の女より男に」
...これが「百面相」を生んだ母胎だろう...
正岡容 「随筆 寄席風俗」
...この心こそ明治の中期以後の文学を生んだ母胎だつたので...
水野葉舟 「言文一致」
...源流を生んだ母胎を知る事が大切であると思ふのである...
水野葉舟 「言文一致」
...又は胎児の骨ばかりが母胎内に残っていたり...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...國力の母胎は今なほここに...
吉川英治 「折々の記」
...宏遠な天業の大範と祖神人の恩惠は忘れがちになつて、その道統から發達した現状の物質的文化の動きや色や音響の方にのみ多くを囚はれがちになり、それを基調とする輸入思想や學問の小智は、國家の母胎も、民族的本性を反省するに遑なく、唯、現代の機械的組織のみを論議するのであつた...
吉川英治 「折々の記」
...われ等を生んだ創造の母胎こそ神であるといふのも一説である...
吉川英治 「折々の記」
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