...ハイネはこの「ドイツ・ロマン主義運動」の一節の中(うち)に芸術の母胎へ肉迫してゐる...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...そして支那や朝鮮の文化はまた印度を母胎としています...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...批評の母胎となり批評の端緒(ヘーゲルやマルクスが尊重したあの端緒の意味に於ける)となるものが他ならぬ印象だというその強みは...
戸坂潤 「所謂批評の「科学性」についての考察」
...人民戦線の母胎たるべき社大党以外に...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...従ってこれが必ずしも自由主義哲学だけの母胎でないことは後に見る通りだが...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...夫々の母胎である夫々の事実間の連絡を手頼りにしてであるべき筈だったのに...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...「『なんじを宿せし母胎と...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...根源的體驗においては存在の墓であつた過去はここでは却つて存在の母胎となる...
波多野精一 「時と永遠」
...レンブラントの芸術を生む母胎ともなった...
宮本百合子 「木の芽だち」
...新しい世代の母胎となったように...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...すべての胎児が母胎内で繰返す進化の道程と...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...國力の母胎は今なほここに...
吉川英治 「折々の記」
...われ等を生んだ創造の母胎こそ神であるといふのも一説である...
吉川英治 「折々の記」
...生みの母胎(ぼたい)はその任務だけを果すと...
吉川英治 「新書太閤記」
...そうした母胎の人がひとり老いていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...土のある所には必ず次の花となる母胎(ぼたい)を作ってゆくように...
吉川英治 「親鸞」
...鼠屋の前から、黄王散を買わずに、愛の機智を拾って帰ってきた彼女の姿を想い、母胎を想い、そこに宿る無形の白石子を想い、ひいては又、松井家から草雲に嫁いだ菊女、その仲に生(な)した格太郎、――と、こう考えてくる時、人間の連鎖(れんさ)、連環のつくるふかい一線が人生をつき抜いているように感じられる...
吉川英治 「田崎草雲とその子」
...がこれらの最初の文化現象を生み出すに至った母胎は...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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