...太郎は母者人のふところから音もたてずにころがり出た...
太宰治 「ロマネスク」
...とうとう盥に蹴躓(けつまず)いて盥のお湯を土間いちめんにおびただしくぶちまけ母者人に叱られた...
太宰治 「ロマネスク」
...惣助はそれでも盥の傍から離れず母者人の肩越しに太郎の顔を覗(のぞ)き...
太宰治 「ロマネスク」
...母者人は寝相がわるかった...
太宰治 「ロマネスク」
...惣助は母者人の寝相を見ないようにして...
太宰治 「ロマネスク」
...それでも負け惜みしてこう母者人に告げたのである...
太宰治 「ロマネスク」
...ことに母者人(ははじゃびと)が呆(あき)れ半分に感心し...
谷譲次 「踊る地平線」
...母者人の俤を想い出そうと努めて見るが...
谷崎潤一郎 「二人の稚児」
...女にはやはり子供ばかり……かう母者人がよく言はれたが...
田山花袋 「道綱の母」
...母者人は顔の筋一つ動かさず聴いて居た...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...「生れ付いて賭勝負に魂奪はれ、けふもあなたを廿両」といひて内侍の方へ思入(おもいいれ)あり「衒(かた)り取つたる荷物の内に、恭(うやうや)しき高位の絵姿、弥助がつらに」といひかけ「あなたのお顔に生きうつし」と云替へ、維盛に思入をなし「合点ゆかずと、母者人へ、金の無心とおとりに入り込み、忍んで聞けば維盛卿の、御身に迫る難義の段々」にて膝をうち「こゝで性根を入れかへずば」の詞に力を入れ「これ母(かか)様、いつ親父様の」にて弥左衛門に思入し「御機嫌の直る時節もあるまいと、打つて交へたる悪事の裏、維盛様の首はあつても、内侍若君の替りに立てる人もなく、あゝどうしやうか、かうしやうかと、途方に呉(く)れしその所へ、女房小せんが倅を連れ、これ権太どの、何うろてえることがあらう、親御の勘当、古主へ忠義、わしと善太をこれかうと、手を廻すれば倅めも、これちやん、おいらもおつかあと一所にと、共に廻して縛り縄、かけても/\手が外れ、結んだ縄もしやらほどけ、いがんだ己が直(すぐ)な子を、持つたは何の因果ぞと、思つては泣き、締めては泣き、後手(うしろで)にしたその時やあ、どうしてもう、いかな鬼でも蛇心でも、こてえられたもんぢやあねえ、不便や可愛や女房、ぢやあねえ倅めが、わつとひと声その時は、これちゝゝゝゝゝゝ」にて顔を指し「血を吐きました」といひて、身をふるはせ頭を下ぐ...
三木竹二 「いがみの権太」
...けれど母者人(ははじゃびと)は...
吉川英治 「新書太閤記」
...苦労性な母者人はすぐ...
吉川英治 「新書太閤記」
...母者人のお迎えに出ようか...
吉川英治 「新書太閤記」
...母者人(ははじゃひと)だな...
吉川英治 「新書太閤記」
...するとまもなくお前の母者人(ははじゃひと)が重病にかかった...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...母者人(ははじゃびと)にも...
吉川英治 「日本名婦伝」
...そうでしたか」「母者人」と...
吉川英治 「宮本武蔵」
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