...三枝のお嬢さんお綾さんには母者人(ははじゃびと)のおびくさんが附いて見えられる...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...母者人のふところの中にいて口をたいぎそうにあけたまま乳房の口への接触をいつまででも待っていた...
太宰治 「ロマネスク」
...太郎は母者人のふところから音もたてずにころがり出た...
太宰治 「ロマネスク」
...惣助はそれでも盥の傍から離れず母者人の肩越しに太郎の顔を覗(のぞ)き...
太宰治 「ロマネスク」
...母者人(はゝじゃひと)の姿なりと...
谷崎潤一郎 「二人の稚児」
...『母者、母者……』などと言つて、道綱は遠くから走つて來て、その小さな體をかの女に投げつけるやうにしたりなどした...
田山花袋 「道綱の母」
...『だつて母者がわりいんだ……蝉なんか取つてゐる間はないなんて言ふんだもの……それそれ...
田山花袋 「道綱の母」
...窕子は出かけて行つては、『母者、この頃、何うかしたやうだ……もう昔のやうに物を言はなくなつた……』などと言つた...
田山花袋 「道綱の母」
...そしてね、母者、その人が貴い女の人なの……局の人たちがその人のことを大騷ぎしてゐるの……...
田山花袋 「道綱の母」
...『母者! 母者!』と二聲呼んだ...
田山花袋 「道綱の母」
...やがてお馨さんの母者人が出て来た...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...一昨日母者(ははじゃ)の葬式(そうしき)をして沈んだ顔の仁左衛門さんも来て居る...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...「母者、事が起った...
長谷川伸 「討たせてやらぬ敵討」
...なんぞ国の母者へ...
吉川英治 「私本太平記」
...鑁阿寺(ばんなじ)の女尊堂におられる尼の母者へ...
吉川英治 「私本太平記」
...――その上にもし母者人でもおられなければ...
吉川英治 「新書太閤記」
...母者人(ははじゃひと)のお身をこっちへ――」と...
吉川英治 「新書太閤記」
...死んだ母者人(ははじゃびと)の夢ばかり見ている...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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