...結婚式から歸つて來ると母堂は伊三郎君の家に去つて了つて居た...
生田葵山 「永井荷風といふ男」
...細君のことに就ては母堂を初め親戚のものは正常の妻と認めては居らぬ...
高濱虚子 「俳諧師」
...御母堂は、はらはらしながらも、また心の片隅では、そんなに平然と外出する三井君の元気に頼って、まだまだ大丈夫と思っていらっしゃったようでもある...
太宰治 「散華」
...田中君の御母堂が私の下宿に怒鳴り込んで來たさうであります...
太宰治 「田中君に就いて」
...娘さんと母堂と二人を前にして...
太宰治 「富嶽百景」
...私は青山御母堂の題簽と...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...母堂の心配そうな打明話によると...
豊島与志雄 「十一谷義三郎を語る」
...池邊君の母堂が死んで丁度三十五日に相當する日とかで...
長塚節 「土」
...その母堂の葬儀の日であった...
夏目漱石 「三山居士」
...母堂に看(みと)られてこの世を去った...
長谷川時雨 「明治美人伝」
...母堂が、また、何かいっている...
久生十蘭 「キャラコさん」
...ご母堂と話をしている苗木売りのお爺さん...
久生十蘭 「キャラコさん」
...こういう御境界は前々から知れ切っていたから、一人旅の遍路の笠にも同行二人と書きつけるごとく、いやまた唐(から)の車は一輪で用を弁ずるがごとく、右は失っても左さえあれば、一個をもって二個の役を果すべき証跡(しょうせき)を二人からさまざまに申上げ、御親類一同も御納得になったことであったが、今日という今日になって、御母堂の筋から、外科の施術をとりやめて散(ち)らす方を考えよと、取次をもって仰せだされた...
久生十蘭 「玉取物語」
...この叔父がある時先生の母堂に向かって...
武者金吉 「地震なまず」
...母堂に育てられたが...
柳田国男 「故郷七十年」
...秀吉の母堂と寧子(ねね)夫人などの眷族(けんぞく)は...
吉川英治 「新書太閤記」
...御母堂様のおことばでもある...
吉川英治 「新書太閤記」
...やいとは、かなわん」「お嫌いでも、御母堂さまの、おいいつけです」「これだから、そもじの部屋には、つい足が遠くなるのじゃ...
吉川英治 「新書太閤記」
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