...居士が最後の息を引き取った時枕頭に在った母堂は折節共に夜伽(よとぎ)をせられていた鷹見氏の令夫人を顧みて「升は一番清(きよ)さんが好きであったものだから...
高浜虚子 「子規居士と余」
...田中君の御母堂が私の下宿に怒鳴り込んで來たさうであります...
太宰治 「田中君に就いて」
...井伏氏と母堂とは...
太宰治 「富嶽百景」
...母堂は、それを、ただ静かに眺めて笑っている...
太宰治 「ろまん燈籠」
...霜がまつしろにおりてゐる、冷たいけれど晴れきつてゐる、きょうは久振に苦味生さんに逢へる、元気よく山ノ上町へ急ぐ、坑内長屋の出入はなか/\やかましい(苦味生さんの言のやうに、一種の牢獄といへないことはない)、やうやくその長屋に草鞋を脱いだが、その本人は私を迎へるために出かけて留守だつた、母堂の深切、祖母さんの言葉、どれもうれしかつた、句稿を書き改めてゐるうちに苦味生さん帰宅、さつそく一杯二杯三杯とよばれながら話しつゞける、――苦味生さんには感服する、あゝいふ境遇であゝいふ職業で、そしてあゝいふ純真さだ、彼と句とは一致してゐる、私と句とが一致してゐるやうに...
種田山頭火 「行乞記」
...青山子爵御母堂元子樣に豫め御願ひしてある事を話した處...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...池邊君の母堂が死んで丁度三十五日に相當する日とかで...
夏目漱石 「「土」に就て」
...急に発達して御母堂のそれのごとく...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...ある日母堂が先生の弟を連れて川の畔にたたずんでいると...
武者金吉 「地震なまず」
...村尾の家で母堂の床上げ祝いをしたときのことだろう...
山本周五郎 「薊」
...母堂みの女が病死され...
山本周五郎 「古今集巻之五」
...御母堂にはなにか...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...「いま御母堂にお話し申したのですが...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...母堂桂昌院を初め...
吉川英治 「大岡越前」
...ご母堂...
吉川英治 「三国志」
...尊氏の母堂やら妻子眷属(けんぞく)が...
吉川英治 「私本太平記」
...「北の丸さま」「御母堂様――」と...
吉川英治 「新書太閤記」
...質人たる御辺の母堂を...
吉川英治 「新書太閤記」
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