...――やあ、お道さんの御(おん)母君、御(ご)母堂、お記念(かたみ)の肉身と、衣類に対して失礼します、御許し下さい……御免...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...その後ろにいつも付き添っている亡き母堂の俤(おもかげ)の厳しい鞭を連想して...
犬養健 「“指揮権発動”を書かざるの記」
...枕頭のお針仕事をしていらっしゃる御母堂を相手に...
太宰治 「散華」
...井伏氏と母堂とは...
太宰治 「富嶽百景」
...母堂の当惑そうな眼くばせをも無視して...
太宰治 「ろまん燈籠」
...上田の母堂は明治の初め津田梅子や...
土井晩翠 「新詩發生時代の思ひ出」
...忙(せわ)しく指図(さしず)をしている母堂の声や...
久生十蘭 「キャラコさん」
...既に貴君の母堂から借用してしまつたのであるが一体...
牧野信一 「ダニューヴの花嫁」
...母堂に育てられたが...
柳田国男 「故郷七十年」
...その赤穂出の母堂は大変昔めいた人で...
柳田国男 「故郷七十年」
...母堂桂昌院を初め...
吉川英治 「大岡越前」
...母堂の、清子みだい所登子(とうこ)嫡男(ちゃくなん)の千寿王、九歳そして、腹ちがいの一子、不知哉丸(いさやまる)は、ことし十五となっており、その生母の藤夜叉も、はや三十路(みそじ)をすこし出て、いまでは“越前(えちぜん)ノ前(まえ)”とよばれ、まったく、武家家庭の型に拘束された一女性になりきっていた...
吉川英治 「私本太平記」
...御母堂までこれへ遣わされてまでの御誠意に対しても...
吉川英治 「新書太閤記」
...「北の丸さま」「御母堂様――」と...
吉川英治 「新書太閤記」
...御母堂様のお気づかいもあること...
吉川英治 「新書太閤記」
...「御母堂にも、寧子(ねね)どのにも、宵よりいたくお待ちかねでおられます...
吉川英治 「新書太閤記」
...御母堂さまには、かえって、戦の忙しさに、殿が不養生はしておらぬやと、殿のお身の方をお案じなされておいででした」「また、あの子は灸(やいと)をすえおるかと、訊かれたことであろ」佐吉は笑って、その通りです、と答えた...
吉川英治 「新書太閤記」
...「久しぶりよの」御母堂も...
吉川英治 「茶漬三略」
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