...徒らに判断をあせらず、もっと泰然とするか、毅然とするか、している方が、却って利巧なのではないかとさえ思ったことも少くはなかった...
戸坂潤 「『唯研ニュース』」
...彼は氣持のいい毅然とした顏つきで...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...身を殺してまでも毅然として自己を操持(そうじ)した...
新渡戸稲造 「自警録」
...私は貴方(あなた)の奸策を皆(み)んな父に話して笠森さんを呼戻さなければなりません」「これ程まで云っても」「帰って下さい」美奈子は毅然として丹波丹六を峻拒(しゅんきょ)したのです...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...毅然としてゐるではないか...
原民喜 「心願の国」
...太子は毅然として最後まで屈しなかった...
久生十蘭 「カストリ侯実録」
...国王が毅然と言われた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「道化玉座」
...毅然とした人間精神の美しさに詩と慰藉とを与えられた...
宮本百合子 「現代の主題」
...両刀を抜いて毅然と立つ...
山中貞雄 「武蔵旅日記」
...太史慈は毅然として...
吉川英治 「三国志」
...毅然と構えながらももじもじしていた...
吉川英治 「三国志」
...ひとり、なお余息を保っている吉平は、毅然として、天地に恥じざるの面(おもて)をあげ、曹操をにらんで云った...
吉川英治 「三国志」
...審配は毅然として...
吉川英治 「三国志」
...毅然とこう答えた...
吉川英治 「三国志」
...――それから、先ごろ、月輪殿のご息女を妻としてごうごうと喧(やかま)しい取沙汰の中に、毅然として、念仏門の行者の範を垂れている善信どの...
吉川英治 「親鸞」
...初めは、つまみ出しそうな権まくだったが、彼が、毅然として、小次郎将門だと告げると、さすがに気押(けお)された気味で、ことばも改めだした...
吉川英治 「平の将門」
...一方に毅然として佇んでいる小がらな冠者に眼をとめた...
吉川英治 「源頼朝」
...――しかも無駄なく、毅然と、清潔を主とした姿をもった、焼跡の新しい町を行く武士を見ると、(鎌倉風(ふう)よ)と、人々はささやいた...
吉川英治 「源頼朝」
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