...偏狭なら偏狭なりに毅然とした強い処があれば又美しいのですがね...
長與善郎 「青銅の基督」
...私は貴方(あなた)の奸策を皆(み)んな父に話して笠森さんを呼戻さなければなりません」「これ程まで云っても」「帰って下さい」美奈子は毅然として丹波丹六を峻拒(しゅんきょ)したのです...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...毅然としてゐるではないか...
原民喜 「心願の国」
...一番毅然とせねばならない...
北條民雄 「孤独のことなど」
...妻は毅然として夫の顔を見上げた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...おとなしいうちにも何か毅然としたものをもっている人であったが...
三木清 「読書遍歴」
...掩(おお)うものもない塹壕の中に毅然として立つ大将も...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...その毅然とした態度にも...
山本周五郎 「山彦乙女」
...西洋崇拝の弊風が天下を吹きめぐって我国固有の美風良俗が地を払って行く中に毅然として能楽の師家たる職分を守り...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...毅然として一同を見まわした...
夢野久作 「戦場」
...毅然としている船長と...
夢野久作 「幽霊と推進機」
...場(じょう)の中央に毅然と仁王立ちになった一人の剣士の面(おもて)には...
吉川英治 「剣難女難」
...太史慈は毅然として...
吉川英治 「三国志」
...なお毅然としてある都門第宅の輪奐(りんかん)の美も...
吉川英治 「三国志」
...初めは、つまみ出しそうな権まくだったが、彼が、毅然として、小次郎将門だと告げると、さすがに気押(けお)された気味で、ことばも改めだした...
吉川英治 「平の将門」
...かれはなおも毅然として...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...――しかも無駄なく、毅然と、清潔を主とした姿をもった、焼跡の新しい町を行く武士を見ると、(鎌倉風(ふう)よ)と、人々はささやいた...
吉川英治 「源頼朝」
...強(し)いて毅然と装(よそお)う清十郎のことばへ圧(お)しかぶせて...
吉川英治 「宮本武蔵」
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