...子供達の寢床は皆殼になつてゐた...
伊藤左千夫 「奈々子」
...濱町や蠣殼町のこツそりした家へとまつたりする勇氣も餘裕もない...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...默つて小さい貝殼を差し出す...
太宰治 「お伽草紙」
...その「希望」の星が貝殼の底に殘つてゐたとしたところで...
太宰治 「お伽草紙」
...匙(さじ)としては貝殼に柄(え)を付(つ)けたるもの用ゐられ...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...彼等ガ火食ノ法ヲ知リ居リシ事等ハ貝塚發見ノ貝殼...
坪井正五郎 「石器時代總論要領」
...生きた貝殼のように見えたりした...
豊島与志雄 「人の国」
...次には鰹節の煮出殼から...
豊島与志雄 「「紋章」の「私」」
...煙草を一本吸ひ終つて殼を捨てた拍子に...
中島敦 「環礁」
...大海龜(うみがめ)は山のやうに眠つてゐるし古生代の海に近く厚さ千貫目ほどもある(しやこ)の貝殼が眺望してゐる...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...貝殼(かひがら)に入(い)れた水(みづ)を火(ひ)に近寄(ちかよ)せて少(すこ)しの湯(ゆ)を得(え)たに過(す)ぎなかつたのでありますが...
濱田青陵 「博物館」
...湖水(こすい)の傍(そば)などにも淡水産(たんすいさん)の貝殼(かひがら)で出來(でき)てゐる貝塚(かひづか)があるのであります...
濱田青陵 「博物館」
...鴉(からす)の木や枳殼(からたち)の木...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...魂はまつたく拔け殼(がら)であることを...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...硝子(がらす)のない窓の穴のある貝殼のやうな壁であつた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...ゆうべ夜食に出した玉子の殼が皿の上にそのまゝになつてゐた...
水野仙子 「四十餘日」
...貝殼は人の眼と鼻と口とを型取り...
室生犀星 「神のない子」
...例の貝殼の袋に、色のある紙類、美しい紐類に菓子の空ら箱、古いが表紙が大事な二三册の雜誌がはいつてゐて、思ひ直してその雜誌の中に状袋をはさみ込んで、それを表紙の上からそつとおさへて、彼女ははじめてこれで安心といふふうに倖せ好く微笑んだ...
室生犀星 「神のない子」
便利!手書き漢字入力検索