...中腹の段々畑の土がひょこり...
犬田卯 「荒蕪地」
...段々畑柳邸の門前を離れて行く...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...前に三四枚の段々畑があって...
谷崎潤一郎 「紀伊国狐憑漆掻語」
...河つ縁(ぷち)に沿つた段々畑の中を幅の広い国道だけがほの白く浮いて...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...豚小屋は裏の段々畑の丘の中ほどにあった...
壺井栄 「大根の葉」
...榛の木並樹(なみき)の土堤下に沿うた段々畑であった...
徳永直 「麦の芽」
...山腹の段々畑はよく茂った藷の上に露をかがやかせている...
永井隆 「長崎の鐘」
...径から谷にむかって、低く垂(た)れている、狭い、急な段々畑には、背に籠を負い、脚にまっ赤な脚絆をつけた蕃人の娘が佇(たたず)んでいて、訊(たず)ねかけてくることもある...
中村地平 「霧の蕃社」
...熊笹の刈株をガサガサと踏みわけながら段々畑の畔道をのぼって行ったら...
久生十蘭 「生霊」
...この前に私が段々畑の上からこの家を見降して写生してゐたのは...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...どちらも蜜柑の段々畑にある家なのだが...
牧野信一 「西瓜喰ふ人」
...山荘の裏は段々畑で...
吉川英治 「私本太平記」
...段々畑のあぜをのぼって行く...
吉川英治 「私本太平記」
...段々畑の下の長屋裏へ伴(ともな)った...
吉川英治 「私本太平記」
...池のふちまでが馬鈴薯(ばれいしょ)の段々畑でつづいている...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...麓からかけて隨分の高みまで段々畑が作られて...
若山牧水 「樹木とその葉」
...車窓近くの百姓家の段々畑の畔に梅が白々と咲いて居る...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...段々畑の畔などに列を作って咲き靡いている所もある...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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