...残る二人の人間という不合理に見える合理を解きあげて妾の重い負担を下ろすことにしたいものである...
海野十三 「三人の双生児」
...皇帝はこの後すぐに戦争をするためにドナウ川に向かいガレノスはローマに残るのがアスクレピオスの意思であると言って残ることを許された...
ジェイムズ・サンヅ・エリオット James Sands Elliott 水上茂樹訳 「ギリシャおよびローマ医学の概観」
...もしどっちかを得たら残る一人にも...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...何か知ら不愉快なものが胸に残るのであった...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...而かもその不磨の記憶となりて永く後ちに残る程の奕々(えき/\)たる触発の場合は...
綱島梁川 「予が見神の実験」
...しかし実験室内に捕われたとんぼがはたして野外の自由なとんぼと全く同じ性能をもつと仮定してよいかどうかという疑問は残る...
寺田寅彦 「三斜晶系」
...それにしても同じ有害な環境におかれた三尾のうちで二つは死んで一つは生き残るから妙である...
寺田寅彦 「藤棚の陰から」
...夜な夜な神詣(かみもう)でをするといういいつたえが残る...
中里介山 「大菩薩峠」
...私の最も印象に残るのはその御前様の生活であって...
中谷宇吉郎 「御殿の生活」
...残る二つは平衡を失なつた...
夏目漱石 「それから」
...戦争が名誉だと云う感じが消えて悪(に)くいと云う念だけ残る...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
......
野口雨情 「未刊童謡」
...という困難が依然として残るのである...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...まだお勢に心が残るか...
二葉亭四迷 「浮雲」
...自覚にはまだ「我れ」が残る...
柳宗悦 「民藝四十年」
...心が残るように思えまして……」「――もちろんそれでいいですとも...
山本周五郎 「落ち梅記」
...その迅業(はやわざ)に、たちまち、右に二人、左に一人、朱を流して打(ぶ)っ仆れた様を見て、かなわぬと見たか、残る四、五人の山手組は、思い思いに八方へ逃げ散った...
吉川英治 「剣難女難」
...当惑すべき『エイボンの書』の今に残る断片...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
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