...あに今死んだっておれは残り惜しいことはない……」こう自分ではいったけれど...
伊藤左千夫 「去年」
...チエエスがこの二つの名を書き落してゐるのは重ね/″\残り惜しい...
薄田泣菫 「茶話」
...時間がなくて残り惜しいことでした...
谷崎潤一郎 「細雪」
...その朝は生れて初めて成程これが「朝の別れ」というものかと懐かしいような残り惜しいような想いがした...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...親しい人との永別が名残り惜しいのである...
外村繁 「日を愛しむ」
...名残り惜しい様子をしてこちらから会いに行くことをしかねていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...私は立ち上るのが名残り惜しいような気がした...
豊島与志雄 「微笑」
...何とも知れぬ残り惜しい心持になった...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...したがって従来経験し尽した甲の波には衣を脱いだ蛇(へび)と同様未練もなければ残り惜しい心持もしない...
夏目漱石 「現代日本の開化」
...何となく残り惜しい...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...なんだか名残り惜しいような気がします」うるさい気持の葛藤や...
久生十蘭 「キャラコさん」
...このまま別れてゆくのが名残り惜しいといふ風に...
牧野信一 「木枯の吹くころ」
...お杉に会えなくなるのがちょっと残り惜しいですよ」登はつい先刻...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...又は能楽のために残り惜しい気がして仕様がない...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...それ程に名残り惜しいか...
夢野久作 「名君忠之」
...さりとは余りに名残り惜しい...
吉川英治 「三国志」
...折ふし、高氏は不在だったが、登子が会って、「まあ、それは、お名残り惜しい...
吉川英治 「私本太平記」
...名残り惜しい夜明けを詠嘆することはできても...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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