...」譚(たん)は殆(ほとん)ど左利きのように残りの一片を投げてよこした...
芥川龍之介 「湖南の扇」
...四人の壮佼は、後に残りて、口さえもよう利かれず...
泉鏡花 「活人形」
...何となし残りおしかった...
伊藤左千夫 「落穂」
...彼もここまで運んで来ながら心残りであったろうし...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...舞楽自身も元の侭でも残りまたその影響を受けた俗楽も今に残っているというふうであります...
高楠順次郎 「東洋文化史における仏教の地位」
...その残り少なの秘蔵のウイスキイを出したのであるが...
太宰治 「親友交歓」
...一行の残りの者が集(あつま)っていた小さい客間に這入った瞬間に...
チェスタートン 直木三十五訳 「金の十字架の呪い」
...殿下から何が残りますかって...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...心残りなくやっつけますか……...
豊島与志雄 「南さんの恋人」
...されど老樹は猶枯れやらず残りし皮残りし骨にあはれ醜(みにく)き姿を日にさらす...
永井壮吉 「偏奇館吟草」
...わずかな生き残り学生――どこかに生々しい傷あとを見せている...
永井隆 「この子を残して」
...残りの有金(ありがね)で昔のゆめを追っているうちに...
長谷川時雨 「勝川花菊の一生」
...して財宝は残りしか...
南方熊楠 「失うた帳面を記憶力で書き復した人」
...本州には伊勢の外宮にのみ残り...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...入用があればこそこんな語が田舎には残り...
柳田國男 「地名の研究」
...うまい具合に残りがなくなった場合には...
横光利一 「旅愁」
...幼な子たちの養育にも思い残りのない気がする...
吉川英治 「大岡越前」
...宋清も名残り惜しげに...
吉川英治 「新・水滸伝」
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