...崩れ残りの築土(ついぢ)だけだつた...
芥川龍之介 「六の宮の姫君」
...怪しと思う婦人(おんな)のみ居残りたる様子なれば...
泉鏡花 「活人形」
...残りの赤い部分は花冠と云ふものだ...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...地上には季節の名残りが山々の襞(ひだ)に深い雪をとどめて...
大阪圭吉 「坑鬼」
...それからラムが一罎(ひとびん)と!残りの奴は酒と悪魔が片附けた――よいこらさあ...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...焼け残りの黒ずんだ足が今も見えている...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...飲残りのビールをまた一杯干して...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...今日もまた生き残りたる玉の緒の生命尊く思ほゆるかもを思い出し幾度も詠んだ...
永井隆 「長崎の鐘」
...みんなそこらから拾い集めてきた焼け残りの物だった...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...八 名残りの雪早朝の四辺は...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...泥水の分析値から耕地の流出量を引いた残りの量と...
中谷宇吉郎 「亡び行く国土」
...大変残りおしく思う...
長谷川時雨 「マダム貞奴」
...沼袋のきんの家は残り...
林芙美子 「晩菊」
...往昔の巣鴨染井の菊や躑躅のたぐひを育てゝゐた名残りらしく...
正岡容 「巣鴨菊」
...喰い残りの麦飯なりとも一椀を恵み給わばうれしかるべしとて肩の荷物を卸(おろ)せば十二...
正岡子規 「旅の旅の旅」
...真珠湾に突入した九人の青年が軍神としてたたえられたたたえたのは、私たちだった、国民だったあの頃の新聞や雑誌を出して見なさい電車が九段を通る時には、すべての人が頭を下げたことを思い出して見なさい宮城前を過ぎる時にはすべての人が頭を垂れて戦勝を祈ったことを思い出して見るがいい私たちもそうだった私もそうだった――罰せよ、罰せよ、残りなく、私たちを...
三好十郎 「殺意(ストリップショウ)」
...車中の不便を思いベルリンから持ち込んだ角砂糖の残りも...
横光利一 「旅愁」
...この世の名残りにたっぷりとお過ごしあれ」郷士の口裏に...
吉川英治 「江戸三国志」
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