...結極余るところが借金を残す位ゐのもので...
有島武郎 「私有農場から共産農団へ」
...自分はもうこの世に何の思い残すところもない...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...きつと記録に書き残す歴史家といふ筆まめな輩(てあひ)が住んでゐるから...
薄田泣菫 「茶話」
...酔うて別れて思ひ残すことなし...
種田山頭火 「行乞記」
...社会的存在からこのようにして政治学的なるものを引き去って社会学的なものだけ残すということは...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...少しの隙間をも残すまいとし...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...」「家族を残すんですって!」と技師は叫んだ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...残すところのないように這い廻った...
直木三十五 「南国太平記」
...彼は紅絵に見るが如く空間を白紙(はくし)のままに残す事を許さず...
永井荷風 「江戸芸術論」
...武芸を後に残すことを好まれなかったが...
中里介山 「大菩薩峠」
...船に残すべきものと...
中里介山 「大菩薩峠」
...むなしき筆記を残すにすぎず...
夏目漱石 「三四郎」
...わたしに同情したことは――父がまだ同情する力があったとしてのことですけれども――悲しいことにあとに悪い結果を残すことになり...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...○我邦の習慣として小児が茶碗の中の飯を残すと勿体ないから食べておしまいと母親が強(し)いて小児に容量以上の物を食せしむるは最も大害あり...
村井弦斎 「食道楽」
...父の入道を一人ぼっちで残すことも苦痛であった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...彼はことの動機をちゃんとつかんでいたから(これは我々にはできないことだが)、ことそのことを、我々には及ばないほど明らかに、残すところなく、見ぬいていたのである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...それをオテル・ド・ロンに残すことが出来たのです...
吉行エイスケ 「バルザックの寝巻姿」
...そして全てを書き残すよう駆り立てられた...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
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