...しかし今日(こんにち)の大川の上に大小の浪を残すものは一々数へるのに耐へないであらう...
芥川龍之介 「本所両国」
...倉地が去った人たちに未練を残すようならば自分の恋は石や瓦(かわら)と同様だ...
有島武郎 「或る女」
...私は小鳥とその所有物の凡(すべ)てを残すところなく外界から私の個性へ奪い取っているのだ...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...もうこれで何の思い残すところもございません...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...それを残すところなくこの友に語りたいと思った...
田山花袋 「田舎教師」
...とに角この事件の指導精神がなにかの形で跡を残すような結果になった以上...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...私から彼女へ残す名前がなぜ血ににじんでいるかを...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...子孫の為に残すなら...
直木三十五 「大阪を歩く」
...逢うまでの形身(かたみ)と残す...
夏目漱石 「薤露行」
...まあ鼻の下だけは残す事にしようと一人できめる...
夏目漱石 「琴のそら音」
...すべての反語のうち自(みずか)ら知らずして後世に残す反語ほど猛烈なるはまたとあるまい...
夏目漱石 「倫敦塔」
...他人の手に愛児を残す母親の浅ましさ...
福田英子 「妾の半生涯」
...財産をシートン夫人に残すという遺書があった場合...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「玉手箱」
...純金だけを残すことだった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...しかも残すと御機嫌が悪いので...
三浦環 「お蝶夫人」
...受ける印象を鮮かに胸に残すでありましょう...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...冷泉(れいぜい)家行らを残す...
吉川英治 「私本太平記」
...鷺太郎を残すと二人は物かげにかくれた...
蘭郁二郎 「鱗粉」
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