...玄関まで送って出たお久と要とにそう云い残すと...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...伯と会見して不快の感を残すものは一人もあらずといへり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...故国にあった時に目撃したもののいくらかを後に残すことを思い...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...史上に陰惨なる感動を残す壮大な消滅の一つではなかった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...御賢明の段、当家のために、祝着至極(しゅうちゃくしごく)、老人、思い残すところ、一つも、ござりませぬ」調所は、脣に微笑を浮べて、眼に、涙をためていた...
直木三十五 「南国太平記」
...庭は跡方(あとかた)もなく伐開(きりひら)かれ本堂の横手の墓地も申訳らしく僅(わずか)な地坪(じつぼ)を残すばかりであった...
永井荷風 「日和下駄」
...一処にその未練を残すから...
中里介山 「大菩薩峠」
...さればといって此処まで来て引っ返すのは永久に悔いを残すことになるだろう...
野上豊一郎 「吹雪のユンクフラウ」
...未練を残すことがあるものか」翌(あく)る日の昼頃...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...癌腫の疑いを残すが多く...
久生十蘭 「玉取物語」
...もう思い残すこともないんだ」と...
広津柳浪 「今戸心中」
...ひとの前ではものを喰らひ残すのが作法とでも心得てゐる勉助やら女房などと――わたしは思はずそんなことまでを空想した位ゐであつた...
牧野信一 「茜蜻蛉」
...歌子や式多津が楽屋で前座の汲んでだすお茶を飲残すと...
正岡容 「寄席風流」
...遺伝の蹴鞠の芸だけで後世へ名を残すことになりましたらそれで無事かもしれません」と言った...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...髪は授戒の日にお扱いした僧が惜しんで長く残すようにして切ったのであるから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...後に祟りを残すなんて仕事が...
夢野久作 「白くれない」
...さもないと読者はペテンにかけられたような不愉快を心の片隅に残すところがあるのだから...
夢野久作 「創作人物の名前について」
...その境地に於て得た型を後世に残すべく然るべき器量の養子を求めるといった段取りになる...
夢野久作 「能とは何か」
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