...たつた独り取残されるのは薄気味悪いといふことも手伝つてゐるのに違ひない...
芥川龍之介 「微笑」
...かくの如くして家庭の保護と光栄の何ものが残されるのであらう? 実際...
エンマ・ゴルドマン 伊藤野枝訳 「結婚と恋愛」
...友達や召使が無くて残されたものは埋葬されないで街路や寂れた家に残される...
ジェイムズ・サンヅ・エリオット James Sands Elliott 水上茂樹訳 「ギリシャおよびローマ医学の概観」
...有島氏は娘と差向ひに取残される事となつた...
薄田泣菫 「茶話」
...新理論のうち結局私自身のものとして残されるべき部分を定めようと努力した(五)...
レオン・ワルラス Leon Walras 手塚壽郎訳 「純粋経済学要論」
...私の洗面台とそうして東京の街路の上に残されることであろう...
寺田寅彦 「日常身辺の物理的諸問題」
...かくて純粋に単なる哲学――もはや形而上学ではない処の――と実証科学とが残される...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...クラインによれば凡ての幾何学は夫々或る一定の形を持った変換に対して不変に残されるものの不変量理論(Invariantentheorie)と考えられるが...
戸坂潤 「幾何学と空間」
...そこには常識に対立した弁証法だけが残される...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...やがて漉されて私の後ろの闇にとり残されるのであった...
豊島与志雄 「蠱惑」
...クウェンティン・マーシス(十五〜十六世紀に活躍したフランダース地方の画家)の墓に通じる壊れかけた鉄の門の近くにある石畳の上に取り残されるのでした...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 荒木光二郎訳 「フランダースの犬」
...人々の間に残されるであろう)大作は...
直木三十五 「三人の相馬大作」
...何でも多人数競争の折には大抵最後に取り残される...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...その街が何ごともなく無疵(むきず)のまま残されること...
原民喜 「壊滅の序曲」
...あたかも家なき旅人のように孤影悄然として道の只中に取り残されるのである...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...その名はながく戦いの歴史に残されるだろう...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...自分が死んだ跡には道綱(みちつな)だけがただ一人ぎり頼りなく残されることを思うと気がかりでならなかった...
堀辰雄 「ほととぎす」
...」「残される僕だつて同じ事だよ...
牧野信一 「喜びと悲しみの熱涙」
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