...それを皆に殊更に話すほどの興味も感じなかつた...
伊藤野枝 「惑ひ」
...そら米の秋と思うがままの月日を重ねて小吟も十四になって美しゅう化粧なんかするもんで山里ではそれほどでなくっても殊更に目立って之の女を恋うる人が限ない...
井原西鶴 宮本百合子訳 「元禄時代小説第一巻「本朝二十不孝」ぬきほ(言文一致訳)」
...又は殊更に冷酷にメスを振ふのを大方針としてゐるやうに言はれてゐるけれども...
田山録弥 「雨の日に」
...殊更に夕方のそんな変な時間を選んだと云うのは...
コナンドイル 三上於莵吉訳 「入院患者」
...殊更に困難と健鬪して見たいといふ樣な氣を起して...
朝永三十郎 「學究漫録」
...目を惹く華美なものを殊更に避け...
豊島与志雄 「秦の出発」
...殊更に反抗して議長を困らせるような事があったから...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...南国の人の常として殊更に秋を好むジヤン・モレアスである...
永井荷風 「花より雨に」
...殊更に立止って野営の人形を眺めるものはないらしいようであった...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...白いものは殊更に白く見える...
長塚節 「炭燒のむすめ」
...殊更に自家用の風呂を所有することの出来る...
橋本五郎 「自殺を買う話」
...殊更に王様を犯人としなければならぬ目的は何辺(なへん)にあるのかと考えて見た...
久生十蘭 「魔都」
...立法者にして殊更に文章の荘重典雅を衒(てら)わんがために...
穂積陳重 「法窓夜話」
...そして殊更に憂鬱気な態度を示した...
牧野信一 「鸚鵡の思ひ出」
...「何か用なの?」私は殊更に急に冷かに...
牧野信一 「砂浜」
...殊更に樗を「おうち」...
牧野富太郎 「植物記」
...ななえが殊更に社村から遠退かうとする機會を一々巧く捉へて...
室生犀星 「渚」
...殊更にさうやつてゐるとしか思はれない...
室生犀星 「めたん子傳」
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