...後(うしろ)の木立の濃い緑と映り合つて殊更に明るく...
石川啄木 「鳥影」
...殊更に自分の歡心を買はうとすることろが見える...
石川啄木 「鳥影」
...殊更に落ちついてる風をして...
伊藤左千夫 「水害雜録」
...人前では殊更に二人がうとうとしく取りなす様になっている...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
...殊更に問題になるやうな...
伊藤野枝 「惑ひ」
...殊更に作る心算で個性を無視した虚偽なものは歌いたくないのだ...
違星北斗 「北斗帖」
...大仏の開眼供養の大法会に殊更に作った太平楽というものもいま宮中に残っている...
高楠順次郎 「東洋文化史における仏教の地位」
...将軍家のお気をお引きたてなさるやうに殊更に高くお笑ひになつて...
太宰治 「右大臣実朝」
...殊更に宝石ばかりをお狙いになるには...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...殊更に重要な位置を占めて居る...
田山録弥 「小説新論」
...風に動く木の葉の乾いた響が殊更に晴れた夏といふ快い感じを起させたが...
永井荷風 「花より雨に」
...殊更に久を休につくりたり...
永井荷風 「礫川※[#「彳+淌のつくり」、第3水準1-84-33]※[#「彳+羊」、第3水準1-84-32]記」
...寢室は殊更に清潔に掃除し...
福澤諭吉 「養生の心得」
...しかしかういふ風景もこの世界では殊更に美しく感ぜられる...
北條民雄 「続重病室日誌」
...「何か用なの?」私は殊更に急に冷かに...
牧野信一 「砂浜」
...今日は殊更に暑いではないか...
牧野信一 「舞踏学校見物」
...この艶女の成れの果てや数奇な半生を経て来た老役者の身の上ばなしや芸談に接する折角の機会を殊更に掴まうとしなかつた...
正岡容 「浅草燈籠」
...大目附でも言句(げんく)はない筈じゃからのう……殊更に御老中の久世広周(くぜひろちか)殿も...
夢野久作 「斬られたさに」
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