...殊勝にも「ろおれんぞ」は...
芥川龍之介 「奉教人の死」
...麝香入(じゃこういり)の匂袋ででもある事か――坊は知るまい、女の膚身(はだみ)を湯で磨く……気取ったのは鶯(うぐいす)のふんが入る、糠袋が、それでも、殊勝に、思わせぶりに、びしょびしょぶよぶよと濡れて出た...
泉鏡花 「絵本の春」
...ひつそりとした小御堂の中に殊勝に尼君がお上げになつてゐる法華經に耳を傾けつつ...
今井邦子 「誠心院の一夜」
...娘が死んだって死ななくったって殊勝に勉強する柄じゃないように見えた...
梅崎春生 「風宴」
...新しい花環を操縦室(キャッブ)の天井へ四十九日間ブラ下げる事を殊勝にも忘れようとはしなかったんです...
大阪圭吉 「とむらい機関車」
...殊勝にもあはれなり...
大町桂月 「鹿島詣」
...殊勝に存じますと云って貰い泣きをしたが...
谷崎潤一郎 「三人法師」
...殊勝にも清人(しんじん)のねらえるなりき...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...私はお稽古にも身がいらずそつと横目でみたらおちやんは殊勝にじつと下をむいてゐた...
中勘助 「銀の匙」
...かへつて物に頓着せぬ心掛殊勝に見えしが...
永井荷風 「洋服論」
...こう殊勝に改まったものに相違ないと思うから...
中里介山 「大菩薩峠」
...お絹も殊勝に護摩(ごま)の席に連なる...
中里介山 「大菩薩峠」
...夕げ終りての宵々家を出ては御寺參り殊勝に...
樋口一葉 「ゆく雲」
...覚悟して殊勝にいたすのが大切...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...殊勝に兄を介護してきた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...殺生戒などと殊勝にやつてる坊さんたちの中にも...
正岡子規 「病牀六尺」
...」と、以心伝心に極ってしまう、そこで僕が前途の抱負を述べると、愚妻は殊勝にも、「私生活の苦労なんか少しも厭(いと)わないわ、何々子さんのようにお金持を望んで結婚したって、ハズバンドが無能で、何んにも理想の事業は出来なくっちゃつまらないことよ...
正宗白鳥 「空想としての新婚旅行」
...彼等は果して如何にも殊勝に坐つて少しも動かず物も食はない...
松本文三郎 「印度の聖人」
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