...ついてはその殊勝なり...
芥川龍之介 「邪宗門」
...燈は遠し、手探りを、何の気もなく草鞋を解いて、びたりと揃えて、トンと船底へ突込(つきこ)むと、殊勝な事には、手拭の畳んで持ったをスイと解き、足の埃をはたはたと払って、臀(いしき)で楫(かじ)を取って、ぐるりと船の胴の間にのめり込む...
泉鏡花 「浮舟」
...至極殊勝な篤志を起したものの...
大杉栄 「新しき世界の為めの新しき芸術」
...殊勝なる心掛かな...
大町桂月 「箱根神社祈願の記」
...それは申し上げませんと殊勝な事を言っているようにも聞えますが...
太宰治 「風の便り」
...多田の銀山(かなやま)出盛りし有樣書せける」などの殊勝な心掛けの分限者の事やら...
太宰治 「金錢の話」
...「まてよ! まてよ!」彼はその最初の殊勝な考えをおさえつけ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...お話を承りたいと存じます」「はい……」お絹はどこまでも殊勝な面色(かおいろ)と...
中里介山 「大菩薩峠」
...改めて自省を致します」「殊勝なことです...
中里介山 「大菩薩峠」
...再び世の中へ出そうという殊勝な考えから...
細井和喜蔵 「女給」
...殊勝な隆造に頼り深さを更に感じたらしかつた...
牧野信一 「白明」
...自分で自分に殊勝な心がけを言ひ含めるやうに言つた...
水野仙子 「神樂阪の半襟」
...』お里は自分の殊勝な心から考へ直したのであることを夫にも思はせようと優しく言つたが...
水野仙子 「神樂阪の半襟」
...色々殊勝な心がけがあるらしいことよ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...三斎公その時死罪を顧みずして帰参候は殊勝なりと仰せられ候て...
森鴎外 「興津弥五右衛門の遺書」
...殊勝な相談をぼくに持ちかけて来た...
山之口貘 「野宿」
...それは殊勝なことであるな」「その人はおらに酒を飲ましてくれただ...
山本周五郎 「似而非物語」
...それや殊勝な男だな...
横光利一 「旅愁」
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