...庭木をいたはる心がけは殊勝なことだが...
薄田泣菫 「茶話」
...「そんな殊勝な奴がいるのか...
高見順 「いやな感じ」
...などと殊勝な覚悟を極(き)めた手前もあり...
太宰治 「パンドラの匣」
...其の都度庄造の枕許(まくらもと)に坐っている狸の殊勝な姿を見た...
田中貢太郎 「狸と俳人」
...馴染の家には不義理が重ってるという殊勝な遠慮は多少あったかも知れないが...
豊島与志雄 「別れの辞」
...許させ給え」と殊勝な御辞退ぶりです...
中里介山 「大菩薩峠」
...我を忘るる殊勝な色が面(おもて)にただよいます...
中里介山 「大菩薩峠」
...殊勝なる霊魂復活の思想なんぞはありはしない...
中里介山 「大菩薩峠」
...お松という子の珍しい殊勝な性格が...
中里介山 「大菩薩峠」
...「ご殊勝なことだけど...
久生十蘭 「猪鹿蝶」
...「ご殊勝なことだけど...
久生十蘭 「姦(かしまし)」
...常に教養を高めようという誠に殊勝な心掛けさえもっていた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...重衡 旅人の難儀や嘆きを見るに忍ばず、替わってやろうとは、殊勝な志...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...殊勝な隆造に頼り深さを更に感じたらしかつた...
牧野信一 「白明」
...殊勝なすがたをしているお初...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...殊勝な相談をぼくに持ちかけて来た...
山之口貘 「野宿」
...そうしてどこかでおっ死(ち)ぬが望みだってよ」「それは殊勝なことを聞くものだ」「その人はそう云ってただよ」杢助は無関心に云った...
山本周五郎 「似而非物語」
...もともと僕はあなたをお助けしようなどと殊勝な心掛けで御介抱したのではありません...
横光利一 「上海」
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