...負けぎらひの私には殊さら見えるのかもしれませんけれど...
伊藤野枝 「九州より」
...是より先は殊さら鬼多し...
中里介山 「大菩薩峠」
...その紙片には殊さららしい稚拙な文字で...
久生十蘭 「魔都」
...薄き外套を透る午後四時の寒さは殊さらに堪へ難く...
森鴎外 「舞姫」
...殊さら言わなくたって誰にだって分っているではないかという言い方は...
横光利一 「スフィンクス(覚書)」
...」殊さら千鶴子が傍で聞いているからの議論ではもうなくなり...
横光利一 「旅愁」
...「ほう」謙信はその大きな眼を殊さら大きくみはった...
吉川英治 「上杉謙信」
...また老いたる母をのこしてゆく家庭などでは殊さらに...
吉川英治 「折々の記」
...殊さら樹々の梢(こずえ)でうす暗い裏手の土塀をのりこえて...
吉川英治 「新書太閤記」
...諂(へつら)いはせぬぞ――と殊さらに態度を持(じ)して示す――野武士たちの通有性でもあった...
吉川英治 「新書太閤記」
...殊さらに、そう糺(ただ)したくなる程、秀吉の面(おもて)は、変り果てていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...まず、まず……」と、殊さらに、新しい話題を出して、このゆくりない来客をひきとめていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...そして殊さらに、飲め飲めと左右にすすめ、櫓々(やぐらやぐら)の武者たちへも、庫中の銘酒を豊富に配って、「名残を存分にせよ...
吉川英治 「新書太閤記」
...ぼくなどは殊さらに...
吉川英治 「随筆 新平家」
...殊さら大きな欠伸(あくび)をすると...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...殊さらに冷たくいった...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...おばあさん」殊さらに親しみを見せ...
吉川英治 「宮本武蔵」
...櫓(ろ)を漕ぐ者も、殊さら、舟を迅(はや)く行(や)ろうとはせず、大きく弛(ゆる)く、波を切っていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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