...死苦共に脱し得て甚だ...
芥川龍之介 「仙人」
...凡人の死苦あるに...
芥川龍之介 「仙人」
...釋尊は老病死苦を見て心の痛みに堪へなかつた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...その巨人は死苦のあまり頭を天涯(てんがい)に打ちつけ...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...死苦にあえぐ女の...
アンブローズ・ビアス Ambrose Bierce 妹尾韶夫訳 「マカーガー峽谷の秘密」
...死苦の中に生きる喜あらしめるものがないといわねばならぬ...
田辺元 「メメント モリ」
...又霊魂(みたま)の救はれる事の為めに肉体の死苦を甘んじると云ふ事がやがて死の讃美に思はれ...
長與善郎 「青銅の基督」
...而もいかなる死苦の中にも彼等は...
長與善郎 「青銅の基督」
...その決死苦戦の忠勇(ちゅうゆう)は天晴(あっぱれ)の振舞(ふるまい)にして...
福沢諭吉 「瘠我慢の説」
...謂わば死苦(しく)の三日目か...
ガールシン 二葉亭四迷訳 「四日間」
...娘はその死苦のうちに最後まで自分を誠実に介抱して呉れたことを男に感謝しながら...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...死に先立つところの死苦をはつきりと知つてゐた...
堀辰雄 「續プルウスト雜記」
...何といふ仕事! 死についての感想を筆記させるために死苦の中から再び身を起したプルウスト...
堀辰雄 「續プルウスト雜記」
...彼は死苦にふるえた...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「精」
...死苦に臨むもなお一旦吐いた毒を収(とりい)れず...
南方熊楠 「十二支考」
...さればこの時諸大衆今日この山頂に人頭の小虫醜陋(しゅうろう)なるが僧服を著て世尊を礼拝するは珍なものだと嘲ると、弥勒世尊一同に向い、孔雀好色あれど鷹、鶻鷂(こつよう)に食われ、白象無量の力あるを、獅子獣小さしといえども撮(と)り食らう事塵土(じんど)のごとし、大竜身無量にして金翅鳥(こんじちょう)に搏(う)たる、人身長大にして、肥白端正に好しといえども、七宝の瓶(かめ)に糞を盛り、汚穢(おわい)堪うべからず、この人短小といえども、智慧錬金のごとく、煩悩の習久しく尽き、生死苦余すなし、護法の故にここに住み、常に頭陀事(ずだじ)を行う...
南方熊楠 「十二支考」
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