......
伊東静雄 「わがひとに与ふる哀歌」
...菓子折ひとつだけが歴然とした形で残っている...
梅崎春生 「記憶」
...今日でも歴然として残つてゐるのを私は見る...
田山録弥 「真剣の強味」
...狂っていたレンズの焦点の合ってくるように歴然と眼前に出現してくるのである...
寺田寅彦 「庭の追憶」
...先生の目の周囲には青黒い輪が歴然と残っていた...
寺田寅彦 「病室の花」
...其形迹歴然として観る可し是れ豈憲政党に中心なく...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...同時に乾板を入れた箱を誰(だれ)かが開いたという証拠(しょうこ)も両先生だけには分るように歴然と残っていたのである...
中谷宇吉郎 「千里眼その他」
...彼の四世の祖が打ち込んだ刀痕(とうこん)は歴然と残っている...
夏目漱石 「幻影の盾」
...尚ほ歴然として壁間の凹處に認められ...
原勝郎 「貢院の春」
...最も歴然とした本性を自ずと暴露する...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...歴然と目の前にえがかれて来た...
宮本百合子 「田舎風なヒューモレスク」
...それはかなり歴然としたものであったが...
山本周五郎 「菊千代抄」
...当地方の能楽界一流どころの名前が歴然として残っている...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...エピキュリヤンの鍛錬に打ち向ってゆく覚悟歴然としつつある際だったので...
横光利一 「旅愁」
...武藏自身が認めてゐた短所と性格の一面が歴然と分つてくるのである...
吉川英治 「折々の記」
...あっさりしたものであることが歴然とする...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...ようやく歴然として参った...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...何百万という鋭い精神をより安全な未来に住む異様な身体の中へと遥かなる時を隔てて送り出さなければならなくなるのだ――が古きものどもに勝利を齎す最後の侵攻と関連があるのは歴然としていた...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
便利!手書き漢字入力検索