...其処が歯痒い気がしたものだが...
芥川龍之介 「上海游記」
...解るだけに、歯痒いのだ...
豊島与志雄 「失われた半身」
...歯痒いような変な気持ちが其処に一杯つまっている...
豊島与志雄 「蠱惑」
...七兵衛も歯痒いように思いました...
中里介山 「大菩薩峠」
...私自身が何層倍(なんぞうばい)歯痒い思いを重ねて来たか知れないくらいです...
夏目漱石 「こころ」
...そんな歯痒い方法を選んだのは...
久生十蘭 「蝶の絵」
...見るも歯痒いような緩慢な作業がはじまった...
久生十蘭 「ノア」
...いうことが歯痒いじゃありませんか...
久生十蘭 「魔都」
...花の美しい襟足のあたりを呆然と手を束ねて眺めているのは見るも歯痒い有様...
久生十蘭 「魔都」
...見る眼にも歯痒い極みなのである...
久生十蘭 「魔都」
...雙方の意思が離れ離れになつて居るのを歯痒いとも思ひ合つた...
平出修 「公判」
...」白川は桑野がこんなことを問題にして居るのをむしろ歯痒いことにも思つた...
平出修 「瘢痕」
...おおあのイライラとした口惜しいような歯痒いような然も体をじっとしてはいられないような虚言の快楽...
松永延造 「職工と微笑」
...可笑しいやら気の毒やら歯痒いやらで...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...そのときは島田言葉の所謂「歯痒い」わけですが...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...何かしら歯痒い一種の憎悪に類似した感覚があるにもかかわらず...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...そのさくら色をした歯痒いほど美しい頬の蒼ざめるのを傲然と眺めたり...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...この気もちの中には何やら歯痒いような憤ろしいような感情が含まれている...
矢田津世子 「女心拾遺」
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