...今度は歯の浮くような響がした...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「深夜の客」
...自分ながら呆(あき)れるほど、歯の浮くような、いやらしいお世辞なども書くのである...
太宰治 「鴎」
...あんな、喙(くちばし)の青い、ハムレットだのホレーショーだのと一緒になって、歯の浮くような、きざな文句を読みあげて、いったい君は、どうしたのです...
太宰治 「新ハムレット」
...理想だのと歯の浮くような気障(きざ)な事を言って...
太宰治 「新ハムレット」
...一と昔前はそう云う御自身が歯の浮くようなハイカラ振りに身を窶(やつ)していた時代もあるのだが...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...………」相手が日本の女だったらこんな歯の浮くような言葉が口から出る筈はないと思うと...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...ミシンがまた歯の浮くような騒々しさで運転しはじめた...
徳田秋声 「あらくれ」
...そういう処へ出しゃばって歯の浮くような事をいいたがる連中が...
永井荷風 「妾宅」
...歯の浮くような祝辞や弔辞(ちょうじ)を傾聴する苦痛を知らない...
永井荷風 「西瓜」
...万事思切って歯の浮くような事をする男であるが...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...これほどのお住居(すまい)と気のつくものはございません」金助は相変らず歯の浮くような追従(ついしょう)を並べて...
中里介山 「大菩薩峠」
...夫婦別ありといってね……」このおっちょこちょいが歯の浮くような空口(からぐち)をはたいて...
中里介山 「大菩薩峠」
...歯の浮くようなことを言わなかった時代ですから...
中里介山 「大菩薩峠」
...――歯の浮くようなラヴ・レターの文句を記憶しているからこそ...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...――歯の浮くような阿諛を...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...私は歯の浮くような甘い手紙に震えながらつっ立ってしまった...
林芙美子 「新版 放浪記」
...……こんな歯の浮くようなことをいうと笑い飛ばされると思うから...
久生十蘭 「魔都」
...そうしてこの歯の浮くような偶像破壊が...
和辻哲郎 「『偶像再興』序言」
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