...額のしわも、長い眉も、白っぽい目も、ワシの様な鼻も、入歯の口元も、どれもこれも、たたきつぶしてやりたい程、憎たらしく思われる...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...「あの人は胡桃(くるみ)でも噛み割りさうな歯を持つてゐやはるさかい...
薄田泣菫 「茶話」
...まなじりをつるしあげてキリキリと歯をかみならしました...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...歯を磨(みが)いたりするのと同じに...
徳田秋声 「仮装人物」
...きびしく歯を食いしばりぬ...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...老人も黄色い歯を二本剥き出して...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...やい」米友がこう叫んで歯がみをしながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...奥歯を噛みしめながら...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その歯はみづにながれ...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...如何にもうれしさうに声をたてゝ笑ふ皓い歯をみてゐました...
林芙美子 「蛙」
...どこかで必死に歯を喰ひしばつてゐる人間の顔がぼんやり泛かぶ...
原民喜 「飢ゑ」
...或ひは歯のなかへ太い釘を叩き込むやうに――その響がビンビンと脳髄にしみ渡ります...
牧野信一 「美智子と歯痛」
...こんな血だ! 仙太よっ!仙太 (歯をバリバリ音させて)段六...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...それと同時にクリストフは歯の無い口で絶えず何か噛んでゐる...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 森林太郎訳 「老人」
...歯をみせて明るく笑った...
山本周五郎 「季節のない街」
...「――つなさん」五女は白い美しい歯をみせて笑っていた...
山本周五郎 「風流太平記」
...敵の本拠たる歯根(しこん)を揺がすことは出来ないからである...
吉川英治 「黒田如水」
...いかにも歯がゆそうに云って...
吉川英治 「三国志」
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