...然るに俺の曇つた、歪んだ、小さい、さもしい生活は實に何と云ふざまだ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...年代の故で歪んだ皮椅子も皆一種人生の倦怠を表はして居る職員室に這入ると...
石川啄木 「雲は天才である」
...歪んだ顔付きだった...
梅崎春生 「赤い駱駝」
...五十燭光(しょっこう)の電燈が、醜く歪んだ、格太郎の苦悶の姿を照し出した...
江戸川乱歩 「お勢登場」
...眉が、脣が、歪んだ...
直木三十五 「南国太平記」
...彼はやはり屋根が破れ柱の歪んだ何時もの物置小舎の隅に寝ていた...
中島敦 「南島譚」
...それと闘う彼の表情は、みにくく、ねじれ歪んだ...
中島敦 「プウルの傍で」
...歪んだ二疊程の座敷へ腰を掛ける...
長塚節 「須磨明石」
...おれの歪んだ足つきだけは見ないでおくれ...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...とっつきの歪んだ床屋の前にポプラで囲まれた広場があった...
林芙美子 「新版 放浪記」
...歪んだ格子を開けると玄関の三畳に...
林芙美子 「新版 放浪記」
...歪んだ本箱のやうな棚から...
林芙美子 「下町」
...歪んだ工場の中で...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...壁の落ち柱の歪んだ家にみんなは集つてゐた...
原民喜 「鎮魂歌」
...歪んだやうに彼の目にうつる...
原民喜 「火の唇」
...泣いて歪んだ青い顔を...
火野葦平 「花と龍」
...何と当今の歪んだ文芸界に異彩を放つた明るく...
牧野信一 「浪曼的月評」
...山鹿十介の皮肉に歪んだ顔を...
蘭郁二郎 「鱗粉」
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