...仮りにかの怪奇なる怪力源問題がなかったとしても大西洋の海底を人間が潜水服でのこのこ歩くなんて前代未聞の冒険だよ」「やっぱり歩一歩と地味な観測を続けるのがいいのではないか...
海野十三 「地球発狂事件」
...すると一歩一歩と進む毎に海賊どもの声がだんだん近くにがやがや言っているのが聞えて来た...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...一歩一歩と高調する戯曲的内容を導いて最後の最頂点に達するまでに観客の注意の弛緩(しかん)を許さないのであろう...
寺田寅彦 「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...徐々に一歩一歩と...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...米友は一歩一歩とさがって行く...
中里介山 「大菩薩峠」
...兵馬はただこうして一歩一歩と米友を追いつめてさえおれば...
中里介山 「大菩薩峠」
...こういう方面の学問が一歩一歩と出来て行った順序をも示すことになるのであろう...
中谷宇吉郎 「清々しさの研究の話」
...更にその上に真剣な努力を積み重ねることによって一歩一歩と完成に近づくというような性質の問題であろうと思われる...
中谷宇吉郎 「雪」
...冷静に一歩一歩とさすらいつづけてきたことか!――ところが今や...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...それにしても一歩一歩と爪先が...
牧野信一 「剥製」
...副木を添えて一歩一歩と自分の歩ける場所をひろげてゆくわけで...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...一歩一歩と正しい時間と空間の観念……正気に導いて行くだけの鋭敏さを持った頭でなくちゃならぬ...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...一歩一歩と近づいて来るように思われるのでした...
夢野久作 「瓶詰地獄」
...喚きつつ、叫びつつ、歩一歩と、相互のあいだは双方から歩みつめる...
吉川英治 「上杉謙信」
...とにかく手さぐりで一歩一歩と降りてゆきますと...
吉川英治 「江戸三国志」
...歩一歩と、供の者の藁沓(わらぐつ)は重くなり、馬の蹄(ひづめ)を埋めた...
吉川英治 「三国志」
...一歩一歩と江戸の府内へ急いでゆく...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...そうしてその成育は極めて着実に歩一歩と進められた...
和辻哲郎 「鎖国」
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