...林檎が田舎娘のような可憐な薄紅色の蕾を武骨な枝に処せまきまで装い...
有島武郎 「フランセスの顔」
...小川が――小川君が居ませうか?』と武骨な調子で言ふ...
石川啄木 「鳥影」
...私のような武骨な男がそんな気分を味わうことが出来ただけでも...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...幼時から両親の側を離れて武骨な侍の間に育ち...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...――あの武骨な枝...
種田山頭火 「其中日記」
...しかしこの創造された人間像も、やがて再びいき過ぎたり、または崩れて、その立場が失われていくと、ただ武骨なもの、野暮なものとなってくるのである...
中井正一 「美学入門」
...山男が武骨な手を器用に...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...まだ若い武骨な男ですが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...寅松の武骨な手から...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...武骨な男には人の機嫌(きげん)を取る自信は毛ほども無かった...
本庄陸男 「石狩川」
...自分は武骨なアツシユの杖を突き...
牧野信一 「F村での春」
...自身の武骨な時計を脱して妻の腕首にしつかり巻きつけ...
牧野信一 「川蒸気は昔のまゝ」
...そうした平馬の武骨な話しぶりを聞いている中(うち)に一柳斎の顔色が何となく曇って来た...
夢野久作 「斬られたさに」
...左様かな」「生来の武骨者で」「武骨なれば...
吉川英治 「新書太閤記」
...おそろしい武骨な逞しい体躯をもった法師が...
吉川英治 「親鸞」
...武骨な顔にも知性の働きがある...
吉川英治 「源頼朝」
...おつむりへお用い遊ばしますか」武骨な男の家来たちには...
吉川英治 「宮本武蔵」
...武骨な軍学書生である...
吉川英治 「宮本武蔵」
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