...「ぶ、ぶひの情ら、ほのはたなをはえひてふれ!ほれはひのふびをほっへはならんほ!………」此の急な場合に、慌(あわ)てるせいか愈(いよ/\)則重の云うことは聞き取りにくゝなるのであったが、「武、武士の情だ、その刀を返してくれ!某(それがし)の首を取ってはならんぞ!」と、多分そう云っているのであろうと、そこまでは察しがついたので、「さ、武士の情を思えばこそ、お止め申すのでござります」と、公は優(やさ)しく、舊主に対する礼節を失わずに云った...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...武士の情け見たいな悲痛な顏をして見せたりするのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「武士の情(なさけ)を知らぬA艦隊よ...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...武士の情を知るわが武田博士は...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...武士の情も、もうこれまでである...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...参照スベシ×月十五日「儂の拳骨は鉄砲の弾丸だ 武士の情けだ」モンモンの兵...
山中貞雄 「陣中日誌(遺稿)」
...善悪いずれにせよ武士の情け...
吉川英治 「剣難女難」
...情けの曇をかけるのは武士の情けに似て非なるものだ...
吉川英治 「剣難女難」
...武士の情けを知らぬ人々...
吉川英治 「剣難女難」
...炉にくべる薪とした鎌倉武士の情操と...
吉川英治 「三国志」
...だから、今日とて、「あすは断罪の日野殿へ、最後の身清めと一献(こん)をゆるし与えるぐらいな寛度は、武士の情けだ...
吉川英治 「私本太平記」
...武士の情けに訴えてと...
吉川英治 「新書太閤記」
...――お場所をわきまえぬか、内匠頭どの、御乱心召されたか』『梶川か、武士の情じゃ、放せっ』『なりませぬ! お鎮(しず)まりなされっ』『ええっ、仕損じる...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...一藩のしめしがつかぬ」「武士の情けを知らぬおことば...
吉川英治 「べんがら炬燵」
...武士の情けもわきまえていそうな貴様に――と思って体を授けたのがおのれの誤りだった」「誤りは...
吉川英治 「宮本武蔵」
...そういったら武蔵が膝を屈して武士の情けに一臂(ぴ)の力を貸してたまわらぬか――とでもいうかと思っていたかしらぬが...
吉川英治 「宮本武蔵」
...武士の情けとしても...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...すでに、御老中のご印可が、きょうの午(ひる)すぎには下りていたのですが、武士の情けに、一晩だけ延ばしてあるわけなので……」「えっ! じゃあ何というか、あの、もう御老中たちの、印可まで、下りているのか」「ごらんなさい」羅門は指さした...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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