...此処では狩りは許されていないので猟獲はできません...
...私は此処で足掛け六年間の生活をしたのであるが...
石川三四郎 「半農生活者の群に入るまで」
...此処(ここ)ではグズグズしてはいけないということは...
伊波普猷 「進化論より見たる沖縄の廃藩置県」
...――」此処で話を途切らせると...
梅崎春生 「蜆」
...此処ではして貰いたくない」「いや...
海野十三 「深夜の市長」
...多分家を流されて命からがら此処へ駈(か)け込んで来たのであろう...
谷崎潤一郎 「細雪」
...此処へお客で遊びに来て膝の上などへ乗せてやると...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...拍手の声が其処此処に聞える...
田山録弥 「百日紅」
...ウポポが本来男子の世界に生まれたものであることを暗示してゐる)ワォーイ ワォイ乾魚の荷六つの荷が此処にあつたのに誰だ盗んだのはワォーイ ワォイ(お祭の夜どさくさまぎれについ其処にあつたものを失敬する不心得者は昔もあつたであらう...
知里真志保 「アイヌ族の俚謡」
...此処の方がいいわね...
豊島与志雄 「反抗」
...かくして常に、屋上や軒先に洗濯物がへんぽんと飜えり、此処だけは、世間体とか体面とか羞恥心とかは打忘れられて、自他共に怪しまない状態になっている...
豊島与志雄 「風俗時評」
...それではやつぱり面白くはならない写字器械奴(め)!――こんどは此のおもちやの此処ンところをかう改良(なほ)して来い!トツトといつて云つたやうにして来い!(一九三四・二)...
中原中也 「玩具の賦」
...此処まで引張り出されたよ」「そのお夏は何処に居ます」「俺と一緒に戻った筈だが」「あの阿魔(あま)だ」由良松と喜三郎は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それが云わば此処で許される唯一の生のにおいだった...
堀辰雄 「菜穂子」
...ただ此処を逃げだすだけでは決して仕合せにはなれやしないわ」「それだっていい...
山本周五郎 「追いついた夢」
...おお、此処に、踊りつつ、歌ひつつ、急ぐ女の一むれ……女達の踏む所に紅水晶の色の香水光の如くに降り注ぎ、雪の上に一すぢ春の路は虹の如くほのぼのとして現れぬ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...お菊はひとりで此処へ訪ねて来た...
吉川英治 「黒田如水」
...江戸城の此処彼処(ここかしこ)にたくさん働いている石置場の人足や...
吉川英治 「宮本武蔵」
...しかし胡麻塩の男は、それを聞き流して、もう一度疑(うたぐ)り深い眼つきで川島を見廻してから「ない、村なぞは無い」「ほう――」川島は、此処へ来て、はじめて人間らしい返事を聞くことが出来、一層微笑することが出来た...
蘭郁二郎 「植物人間」
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