...此処では狩りは許されていないので猟獲はできません...
...あとは此処に書いてありますから御覧下さいと...
谷崎潤一郎 「細雪」
...情ない空風(からかぜ)が遠い街の塵を揚げて森の香の清い此処(ここ)らまでも吹き込んで来る頃になると...
寺田寅彦 「やもり物語」
...此処(ここ)では松かざりの竹の葉がざわざわいって動いている...
永井荷風 「深川の唄」
...――此処へ頼みに来られた事も...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...とうとう泊ってしまいました」「此処に客のあるのを承知でか」「後で聞いたんです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...此処(ここ)が実に...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...此処で又紛々(ごたごた)と入乱れ重なり合って...
二葉亭四迷 「平凡」
...此処ぞ! と思つた河原の傍を上つたのであるが...
牧野信一 「籔のほとり」
...昨夜も此処で夜をあかしてしまつたといふわけか――上天気過ぎると少々仕事が辛いだらう...
牧野信一 「山彦の街」
...されどそは此処(ここ)に用うべきにあらず...
正岡子規 「俳諧大要」
...今此処に居る美しく強力なるわが友は嘗てはわが世界の占有者であつた...
村山槐多 「殺人行者」
...でも此処(ここ)では何んですから...
室生犀星 「三階の家」
...わたくしが此処にいるではございませんの」女はそっと微笑した...
山本周五郎 「風流太平記」
...――だがどうする、村田は此処へ来る筈である、家にはもういないだろう、といって、此処へ来れば、どこかに待伏せている者があるかもしれない...
山本周五郎 「山彦乙女」
...今日(こんにち)此処(このところ)に迷ひ来られし人と覚(おぼ)し...
夢野久作 「白くれない」
...かなたに立てる君と此処(ここ)に坐(すわ)れる我とは...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...私は法律が人情や人間味を考慮に入れない厭な一面を此処でも見せつけられたのである...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...先生の一途なるさまもなみだなれ家十ばかりなる村の学校にひたひたと土踏み鳴らし真裸足に先生は教ふその体操を先生の頭の禿もたふとけれ此処に死なむと教ふるならめ遥か真下に白々とした谷の瀬々を見下しながらなお急いでいると...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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