...常に正鵠を失しやすいものである...
芥川龍之介 「後世」
...固より出てゐないものを認めた點に於いて君の觀察は大體正鵠を得てゐる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...しかしそれは正鵠(せいこく)を得ていない...
石川啄木 「時代閉塞の現状」
...小學校にゐる頃から聞いたんぢやないか? 兩面から論じなくちやあ議論の正鵠は得られない...
石川啄木 「我等の一團と彼」
...文部省の文芸審査に就て兎角の議論をする人があるが政府は万能で無いから政府の行う処必ずしも正鵠では無い...
内田魯庵 「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」
...或る程度まで正鵠(せいこく)を射ていることを確めた...
海野十三 「ゴールデン・バット事件」
...多くは正鵠(せいこく)を得なかつたにも拘(かゝは)らず...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...殊に風俗の点に関しては正鵠を得ている...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...三仏蘭西人テイザン著す所の日本美術論は北斎の生涯及画風を総論して甚(はなはだ)正鵠(せいこく)を得たるものなり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...すこぶる正鵠(せいこう)を失しているらしい...
夏目漱石 「三四郎」
...人を判断するにおいて正鵠(せいこう)を失し...
新渡戸稲造 「自警録」
...且此種の批評充分にして鑑定正鵠を得...
原勝郎 「吾妻鏡の性質及其史料としての價値」
...もし先天的に存在する美の標準(あるいは正鵠(せいこく)を得たる美の標準)ありとするも...
正岡子規 「俳諧大要」
...どうも正鵠を得たものとは思われぬ...
三上義夫 「数学史の研究に就きて」
...今日から見て正鵠を得ていました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...実質的に最も正鵠(せいこく)を得た着想であるのを否むことができぬ...
柳宗悦 「工藝の道」
...西田氏の毒草園は大朝の「天声人語」や大毎の「硯滴」流にすこぶる正鵠...
山本禾太郎 「探偵小説思い出話」
...マルサス氏は次の推論においても正鵠を得ているであろうか? すなわち分量の超過が減少し消失するであろうから...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
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