...正鵠(せいこう)を得てゐる...
芥川龍之介 「日本の女」
...その用語は正鵠(せいこう)を失している...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...そのために一〇〇年以前の世紀との比較に正鵠を失する恐れがないとは言われないが...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...しかしそれは正鵠(せいこく)を得ていない...
石川啄木 「時代閉塞の現状」
...小學校にゐる頃から聞いたんぢやないか? 兩面から論じなくちやあ議論の正鵠は得られない...
石川啄木 「我等の一團と彼」
...とくにこの時局に際して正鵠(せいこく)を失したものであるといわねばならない...
石原純 「社会事情と科学的精神」
...これについていくらかでも正鵠(せいこく)に近い考察をするためには今のところ信ずべき資料があまりに僅少(きんしょう)である...
寺田寅彦 「函館の大火について」
...殊に風俗の点に関しては正鵠を得ている...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...三仏蘭西人テイザン著す所の日本美術論は北斎の生涯及画風を総論して甚(はなはだ)正鵠(せいこく)を得たるものなり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...その論旨の概(おおむ)ね正鵠(せいこく)を得ていることに三造は驚いた...
中島敦 「斗南先生」
...大概の場合正鵠を射当てることはない...
中原中也 「新短歌に就いて」
...したがって吾人は解脱を修得する前に正鵠(せいこく)にあたれる趣味を養成せねばならぬ...
夏目漱石 「野分」
...人を判断するにおいて正鵠(せいこう)を失し...
新渡戸稲造 「自警録」
...そこで両方とも間違いを取り戻して正鵠を得たことになる...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...どうも正鵠を得たものとは思われぬ...
三上義夫 「数学史の研究に就きて」
...」わたくしの推測はあまり正鵠をはづれてはゐなかつたらしい...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...たまたまそれをさし向ける対象が正鵠(せいこく)を得ていても...
森鴎外 「寒山拾得」
...がはたして正鵠(せいこく)を射ていたかどうか...
山本周五郎 「新潮記」
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